コンプライアンス問題最新4事例

どこの企業も、本気でコンプライアンスに目覚めるのは、不祥事(コンプライアンス違反)を起こしてから。

コンプライアンスを含めて、CSRにおいて企業が本気で取組始めるのは、トップや経営層が「大義」か「危機」を感じてから。これ以外に理由はありません。

で、日本企業に多いのは、「危機」なんですよね。不祥事とか、海外進出で課題となったりとか、そういった壁に突き当たってから、コンプライアンスやCSRに本気で取り組むようになります。

ボトムアップ方式もなくはないですが、従業員有志のボトムアップでトップや経営層が判断しているだけで、最終的にはトップの理解が必要なんですよね。

というわけで、いくつか事例をみながら2014年を振り返り、改めてコンプライアンスについて考えてみましょう。

コンプライアンス違反による倒産

過去の粉飾決算が明るみに出る事例が後を絶たない。直近でも、学習塾「TOMAS(トーマス)」を経営する株式会社リソー教育(東証1部上場)が不適切な売上計上を行っていたことが発覚し、代表取締役他が辞任する事態が発生した。こうした不正は、課徴金納付や第三者委員会の調査費用など多額の金銭的影響がある以上に、投資家や消費者、取引先へ与える影響が深刻である。財務基盤が脆弱な企業や、著しい顧客離れが発生した企業については、そのコンプライアンス違反を引き金として倒産することもあり得る。
「コンプライアンス違反倒産」の動向調査

帝国データバンクの記事では『コンプライアンス違反企業の倒産は、2013年度過去最多の209件~ 「粉飾」発覚は52件』ということで、決して他人事ではないですよね。

先日も「みんなのウェディング」の粉飾会計(?)の話もありましたし、上場企業で監査がしっかりしているからとか、関係ないですからね。嘘はいつかバレます。ぜったい。それが1年後なのか100年後なのかはわかりませんけど。

グレーゾーンのビジネスモデルの倫理性

LINE社と親会社である韓国ITの大手NAVER社(ポータルとフリーメール、検索エンジンでそれぞれ7割以上の圧倒的シェアを持つ)は、著作権侵害や名誉毀損などというコンプライアンス問題にうかつにも気づかないまま「1兆円上場」という大目標を打ち上げて、中座するはめになったということだ。
実は韓国国内で、NAVER社はかなりグレーなビジネスを展開しているが、韓国政府は同社の経営に強く関与する傍らで違法すれすれの行為にも甘い態度を取ってきた。そのため、経営陣にコンプライアンスの意識が希薄だったのではないかというのが筆者の仮説だ。
LINE社上場見送りの遠因?親会社NAVERの「コンプライアンス無視」体制が韓国で許される理由

この記事が本当なのかどうかわかりませんが、確かにこういう側面もあるのかもしれません。

2014年は、バイラルメディアまわりの著作権問題が大きな話題となっていますが、「まとめサイト」を含めて、今後、運営企業がどう倫理性を担保していくかに注目が集まるでしょう。

僕は、LINEも使うし、素晴らしい企業だとは思うので、なんとか課題を解決して先に進んで欲しいと思っています。バイラルメディアのコンプライアンスの以下の記事もご参照下さい。

Appleのコンプライアンス意識

アップルの監査によりサプライヤーのコンプライアンス違反が判明した場合には、サプライヤーは監査費用とセキュリティ基準の見直しなどのため、補償金として13万5千ドル(約1,547万円)の「セキュリティフィー」を支払わなければならないことになっています。この契約は内部的には「Apple Restricted Project Agreement」と呼ばれています。
アップルが製品化を予定している、未発表の製品についての情報が漏洩した場合、漏洩が起きるたびに5,000万ドル(約53億7,000万円)の罰金を課している。
アップルとサプライヤー契約の詳細判明!コンプライアンス違反には補償金も

ここまでサプライヤーをしばるのは、世界トップクラスであり、秘密主義でもある企業だからこそという部分はあるかもしれません。

ただ、企業間であれなんであれ、約束(国際行動規範含む)は守らなければなりません。コンプライアンスは、法令を守ること、という点に加え、社会の要請に応えるという部分もあるため、過剰くらいの意識がちょうどいいのかもしれません。

過剰コンプライアンス対応

女性社員と血液型の話をしていると、青柳課長に「女性とプライベートな話をするのはセクハラだ!」と見咎められた。仕方なく「仕事の用件以外では話さない」と決めたが、それはそれで問題が生じてしまう。女性社員から話しかけられても、受け流す態度になってしまうため、青柳課長に「無視、知らんぷり、パワハラ」をしていると批判されるのだ。新垣さんはすっかり困惑している。「女性社員とコミュニケーション取ると『セクハラ』、受け流すと『パワハラ』。どう対処していいか分からない」
女性社員と話すと「セクハラ」、受け流すと「パワハラ」 過剰コンプラ上司に閉口

ところが一方で、現場では過剰すぎるコンプライアンス対応も問題になったりします。

この記事の事例は極端だとしても、実務的な領域でどこで線引きをするか、社内の意識・認識を統一必要はあるようです。

ただ、「ただしイケメンに限る」という、階級制度的な有名フレーズがありますので、ブサメンに言われたら「セクハラ」、イケメンに言われたら「日常会話」となるような気もします…。どうしたものかのぉ…。

コンプライアンスの参照記事

コンプライアンスとCSRの話をもっと知りたい方は、以下の参考記事もどうぞ。

まとめ

過剰なコンプライアンスの意識や制度は、事業活動の足枷となるのは間違いありません。

しかしながら、多くの場合は意識が足りていない例だと思うので、コンプライアンス実行の問題は、やはりトップがどこまでコミットできているか、ということでしょう。企業の社員数が3人だろうが3万人だろうが、形骸化したステートメントではない、現場的な企業倫理は最低限持つべきでしょうね。

CSRでもコーポレート・ガバナンスやコンプライアンスは非常に重要な項目です。ルール違反をした企業は、市場の信頼を失い退場せざるをえないことになるでしょう。それでも粉飾会計をする企業が上場会社でもなくならないのはなぜなのでしょうか?嘘や犯罪に準じる行為はいつかバレます。絶対。

CSRの戦略的な部分(オポチュニティ)の領域の議論は活発にされますが、このベースになるめっちゃ重要な部分でCSR担当者からはほとんど話題にでてきません。コンプライアンスは別部署の担当だからとCSR担当者が言っていては話になりません。

コンプライアンスの行動規則・行動基準・基本方針などを決めて終わりではなく、実際に現場で活用されてリスクマネジメントとして機能しているのか確かめる必要があります。CSR調達なども絡みもあり、CSR部門とコンプライアンス部門の連携も必須でしょうね。

CSR担当者で、「IR部が統合報告書制作に積極的でない」とか「広報部が情報を適切にまわしてくれない」とか言う人いますけど、あなただって「コンプラは別部門だし、他部署のことは関係ない」的な立場をしておいて、そりゃないよ。ってなもんです。

何はともあれ、皆様お気をつけ下さいませ。



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