公立小中学校等事務職員からのメッセージ

平成28年3月8日に開催した「平成28年度神奈川県職員採用試験に向けた説明会」の概要をご紹介します。

公立小中学校等事務職員採用担当者から

教職員人事課 髙田 光拡 副主幹

職務内容について

 まず、はじめに皆さんは、「学校事務」とはどのような仕事だと思いますか。具体的に仕事内容を思い浮かべられる方は、そう多くはないかと思います。
 皆さんが、児童・生徒であった頃は、「先生」との接点はあったとしても、多くの方は、その他の学校運営にかかわる人たちの仕事を直接見る機会がなかった人の方が多かったのではないでしょうか。
 「学校事務」といっても、広い意味では教員を含めた校務分掌で決められた事務のことを学校では「学校事務」といいますが、これからお話する内容は、学校事務職員が行っている仕事で主だったものを紹介したいと思います。

 まず、毎日繰り返し行う仕事として、文書の受付や管理についての事務があります。
 学校では、毎日郵便で届く文書や電子メールなどを事務職員が整理して必要な情報を先生方へ伝えています。

 また、電話や来客等の対応も毎日の仕事としてあります。

 これに対して、毎日繰り返し行われる仕事ではありませんが、計画的に行わなければならない仕事があります。教職員の給与や教職員が出張に行った際の交通費(旅費)の支払いといった庶務的な仕事、教材の購入や施設の維持管理にかかわる財務、経理事務があります。

 こうした事務については、限られた予算の中で、法令、規則等に基づいて事務処理を行う必要があります。時には、学校内で要望している事項が多く、優先順位を考えて先生方へ提案して、学校運営を円滑に行えるよう工夫をしながら事務を行うといった仕事もあります。特に、児童・生徒に影響のある緊急性の高いものについては、すみやかに対応する必要があります。関係職員や関係業者の方々との調整や、いつまでに行えばよいものか等、細かな点に気を配りながら仕事を行っていく必要があります。

 その他にも、児童・生徒の証明書、学割証の発行事務や転学関係に関する事務手続き等といった学事事務があります。

 このように学校現場では、先生方が授業等を行う裏側で先生方が教育活動に専念できる環境づくりを支援する学校事務職員の力というものが必要とされているのです。

 また、近年、学校現場の多忙化が叫ばれていますが、学校事務という専門職を配置し、学校における専門的な知識、技能等を生かした学校運営が行なわれることで学校内での事務処理体制も改善されていくことが期待されています。

求める人物像について

 次に、こうした学校事務を採用する側から、求める人物像について四つほどお話したいと思います。

 まず、一つ目として、「法令や規則に基づきながら事務を的確にこなせる方や事務処理日程のスケジュール管理ができる方」です。
 公務員には、的確性や確実性が求められます。学校を安定して運営していくためには、法令や規則等に基づきながら、確実に仕事を進めていくことが求められます。
 今、皆さんは、採用試験の日程を見すえながら、試験に向けて勉強をしているかと思います。そうして身に着けた力は、試験のためだけでなく、仕事に就いてからも、大いに役に立つ力となることでしょう。

 二つ目には、「様々な人たちと円滑にコミュニケーションできる能力がある方」です。
 事務の仕事は、一人で黙々としていれば済むものではありません。学校では、様々な仕事を教職員が一体となって連携・協力しながら進めなければいけませんし、学校には、保護者の方、地域の方、購入した物品を届けにくる業者の方など、さまざまな人たちが訪れます。また、同様の人たちからかかってくる電話での対応もあります。
 学校事務職員は、こうした人たちと接する際に自分の持つコミュニケーション能力を発揮しながら、学校の顔、窓口として活躍が求められる職員なのです。

 三つ目として、「教員が教育活動に専念できる環境づくりを支援してくれる方」です。
 学校は、子どもたちが教育を受けながら育っていくところです。学校事務職員には、こうした子どもたちの教育を担っている教員が、教育活動を円滑にすすめられるよう校務分掌にも積極的にかかわり、より効果的、効率的な事務処理を行うことで、学校運営を支援していただきたいと考えています。

 そして、四つ目として、何よりも大切なことが、「子どもが好きな方」です。
 もちろん、子どもたちに直接関わって教育をするのは教員ですが、学校事務職員も子どもたちと関わることが多い仕事です。子どもたちの中には、「事務の先生」といって、学校事務職員を先生といっしょにとらえている子どもたちもいます。ですから、子どもたちと関わることが大好きな方で、「子どもたちのために」という思いを持って日々の仕事に真摯に取り組んでいける方が適した人材かと思います。

配置・勤務先について

 学校事務職員は原則として1校に1名の配置となっています。1名というと心配になる方もいるかもしれませんが、新採用で1名配置のところに配属になった場合でも、小中学校等事務職員で長期間勤めた方などがアドバイスする機会を設けたり、教育委員会で事務研修を行ったりするなど、採用後のケアなども考えています。

 例えば横須賀市では、採用3年目までの学校事務職員を対象として、年8回の実務研修会を行っています。この研修では、現場の先輩事務職員の方や教育事務所の方等を講師として、服務、情報処理、経理・管財、福利厚生等についての講義を行います。研修を通して、若手事務職員の方が、仕事上必要となる知識や技術を身につけるためのサポートをしています。

 また、勤務先についてですが、神奈川県内の、政令指定都市(横浜市・川崎市・相模原市)を除く各市町村立の小学校・中学校等となります。

所管の行政区域といたしましては、次の1市と4教育事務所に分かれています。

①横須賀市

②湘南三浦教育事務所(鎌倉・藤沢・茅ケ崎・逗子・三浦・葉山・寒川)

③県央教育事務所(厚木・大和・海老名・座間・綾瀬・愛川・清川)

④中教育事務所(平塚・秦野・伊勢原・大磯・二宮)

⑤県西教育事務所(南足柄・中井・大井・松田・山北・開成・小田原・箱根・真鶴・湯河原)

 そのため採用試験に合格した場合には、これらの区域の学校に事務職員として勤務していただくことになります。

 市町村に配属後は、基本的に、その市町村または、教育事務所管内の小中学校間での異動となりますので、安定した生活が送れます。しかし、配属後、様々な事情から他の市町村の学校で働きたいとの要望がある場合には、面接等を行った上で異動することもあります。

受験のアドバイス

 試験を受けるにあたって、今まで採用された方の中には、実際に出身校の先輩事務職員や恩師を訪ねて話を聞いてきた方や見学にいってきたという方もいると聞いています。こうしたことも十分参考になることかと思います。また、小中学校の頃の写真を見返してみたり、卒業アルバムを開いて、その頃の楽しかった思い出を思い起こしてみたりすることで、小中学校の児童・生徒たちを支援しようと改めて感じることができるのではないかと思います。

受験者へのメッセージ

 学校事務職員は、明るく活気のある学校づくりに貢献できる仕事です。学校事務職員が先生方を支えることで、先生方は多くの時間を児童・生徒と接することができます。その結果、児童・生徒が充実した学校生活を送れるようになり、笑顔にあふれた学校にすることができます。
 ぜひ、明るく活気のある学校をつくる力になってください。

 最後になりますが、本日の私の説明を参考にしていただき、これまでの自分を思い返してみて、「自分は学校が好きだった。」、「自分は子どもが好きだ。」という方は、ぜひ、公立小中学校等事務の採用試験を受験してください。多くの方に受験していただき、子どもたちが、日々、元気な姿で学べる学校づくりに一緒になって取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。


公立小中学校等事務職員から

厚木市立藤塚中学校 西山 裕里 事務主事

仕事内容について

 私は平成26年度に公立小・中学校事務職員に採用され、今年度で2年目になります。本日は、簡単ではありますが学校事務職員の仕事内容についてご説明させていただきます。

 皆さんは学校事務職員という仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか。
 パソコンに向かって仕事をしているイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は実際の学校現場ではもっとアクティブに活動しているのです。
 もちろん、机やパソコンに向かって事務処理をしている時間も多いですが、印刷室に用紙を運んだり、印刷トラブルの起きたコピー機をなおしたり…。来客の対応や、時には子どもたちに関わることもあります。

 市町村によっても、また配属先の学校によっても学校事務職員の仕事は異なりますが、今回は私が勤務している中学校で担当している、仕事の内容についてご紹介したいと思います。

 今回は、学校事務職員の仕事を、給与関係事務、服務・福利厚生事務、財務事務、学務・庶務事務の四つに分けてご説明したいと思います。

 一つ目は給与関係事務です。
 給与関係事務は教職員の給与に関わる事務のことです。

 まず、第一にあげられるのが、教職員の諸手当の認定です。教職員には住居手当、扶養手当、児童手当のように、様々な手当てが支給されます。
 引っ越しをしたとき、結婚したとき、お子さんが生まれたときには申請書を提出していただき、記入や添付書類に不備はないか確認した後、所属長である校長に認定をしてもらいます。その後、認定内容について報告書を作成し教育事務所に報告、翌月の給与明細で報告が正しく反映されているかを確認します。

 また、出張した際の交通費の取りまとめを行う旅費事務や、非常勤で働く職員の勤務状況の報告なども行っています。
 先生方のお給料、お金に関わる事務ですので、正確な事務処理が求められます。私も、給与関係の事務をする時は、間違いがないか何度も確認をするようにしています。

 二つ目は服務・福利厚生事務です。
 出勤簿や休暇簿などの諸帳簿の整理や、公立学校共済組合に関する事務などがあげられます。
 学校で働く方の中には常勤の方もいれば非常勤の方もいて、雇用形態はさまざまです。雇用形態によって勤務時間や休暇の条件などが変わってくるため、注意しながら各諸帳簿の整合性を確認します。

 公立学校共済組合というのは、私たち公立学校の教職員が加入する社会保険組合です。健康保険や給付金の申請などについては学校を経由しての申請になるため、事務職員が窓口となって共済組合とやりとりを行っています。

 三つ目は財務事務です。
 市町村から配当された予算の執行、備品の購入希望申請を行います。

 年度当初に市町村から各学校に学校で使う物品を購入するための予算が配当されます。その予算で教科・学級等で必要な物品の購入や、教材備品の修繕などを行うのが財務事務です。子どもたちがより良い環境で学校生活を送れるように、先生方や管理職と相談しながら、配当された予算を計画的に執行する必要があります。

 また、ロッカーやテレビなど高額な物品については学校に配当された予算では購入できないため、年に一度市町村の教育委員会へ備品として購入希望を申請します。その際、先生方から何を必要としているか要望書を提出してもらい、管理職やグループリーダーの先生と予算委員会を開き購入希望を申請する物品を検討します。

 私は、事務職員としての力がもっとも試されるのが、財務事務だと思っています。
 学校配当予算は、年度当初にある程度は計画を立てて執行していくのですが、やはり緊急対応として必要になってくるものもあるため、ある程度予算に余裕を持たせておくことが必要です。その裁量は、多くの場合、事務職員に任せられているのです。学校に必要なものをできるだけ購入できるように予算を配分するのは難しいですが、購入できたときに先生方から「ありがとう」と声をかけていただけることはとてもうれしいです。

 四つ目は学務、庶務事務です。
 就学援助事務、各種証明書の発行、文書の受付・管理等があげられます。
 経済的に困っている家庭へは各市町村から就学援助費が支給されます。

 就学援助事務では、そうした申請を保護者が各市町村の教育委員会へ行う際の窓口として申請書の配布や確認、取りまとめを行います。また、各学期に就学援助費の算定資料となる調書の作成・提出も行います。

 各種証明書とは、在学証明書や、卒業証明書のことで、生徒などからの申請によって発行します。また、新幹線などを利用するときに使う学割証の発行も事務職員が行っています。

 また、毎日のように送られてくる文書を受付し分類を行うのも事務職員の仕事です。処理済みの文書は、市が提示しているファイル基準表に沿って、それぞれ決められた年数保管し、廃棄します。個人情報などの記された書類もあるため、シュレッダーにかける等適切な廃棄が求められます。

 このほかにも、電話・来客対応や先生方が使う消耗品の管理補充、印刷機のちょっとした修理も行います。

 「校務分掌」という学校内での役割分担は、所属長である校長が決定しますが、どんな職務を割り振られるかによって学校事務職員の仕事は市町村だけでなく学校ごとにも異なっており、教科書給与事務や、転出入事務、教材費など保護者からの集金の会計を担当する学校もあるようです。

 学校事務職員に大切なこと

 さて、皆さんは学校事務職員に大切なこととは、どんなことだと思いますか?学校事務職員として働くうえで、適切で正確な事務処理、法令や規則の勉強はもちろん大切なことです。
 ですが、一番大切な能力はやはりコミュニケーション力だと私は考えています。

 事務職員の仕事は一人で黙々と進められるもののように思えますが、先生方に書類の提出をお願いしたり、学校や授業で必要な物がないかを聞いたりする等、先生方との会話が不可欠です。

 先生方は授業、生徒指導、部活動と、とても忙しいため、放課後まで職員室に戻ってこられないときもあります。しかし、先生方と相談なしには仕事はできないため、ちょっとした時間でも、先生方を見つけたらすぐに声をかけるようにしています。加えて、就学援助事務などでは、保護者ともやりとりを行うことがあるため、そこでもコミュニケーション力が重要になります。

 また、学校事務職員は学校唯一の行政職として、学校運営に積極的に参加する立場にあります。より良い学校を創るために、自分に何ができるのか、どんな工夫をすれば先生方がより教育活動に打ち込めるか。常日頃から意識することが重要です。

一人職として

 皆さんのご心配の一つに『一人職』であるという不安があると思います。

 公立小中学校の事務職員は学校規模などによっては二人配置の学校もありますが、多くの場合が一人配置です。学校で唯一の行政職として、採用一年目であってもベテランであっても同じ仕事をこなす必要があるため、確かにプレッシャーや不安を感じることも多いと思います。

 幸い私は、採用一年目の時は先輩の事務職員の方と一緒に仕事をすることができたので、多くを学ばせて頂きました。任せられた仕事を先輩職員に確認していただき、何度もミスをしながら最後にOKが出たときはとてもうれしかったことをおぼえています。

 今年度からは一人配置となったため、年度当初はとても不安でしたが、わからないことがあるときは近隣校の事務職員の方に電話で質問して何とか仕事をこなしています。先輩方はとても優しく、丁寧に教えてくださるのでとても心強く思っています。

 私の勤務する厚木市では、学校事務のグループ連携が始まり、新採用事務職員をサポートする仕組みも整ってきました。
 たとえ「一人職」でも、温かく指導してくださる多くの先輩方がいらっしゃるので、安心して仕事に取り組めます。

学校事務職員の魅力

 先ほどから申し上げているように、事務職員は学校で唯一の行政職であるため、先生方は、たとえ事務職員が新人であっても、「申請書の記入方法がわからない」、「こういうものが欲しいのだけどどこで買える?」など容赦なく質問を投げかけてきます。様々な事務手続きや、予算等についても、先生方から頼りにされることが多いです。

 それは「先生方のこうした問いに答えられるのは自分だけ」という自分の自信にもつながりますし、そうした問いに答えることができたときには達成感を感じることもできます。そして、先生方から頂ける、日々の「ありがとう」が仕事への活力になります。

 また、「一人職」であるということは、自分が頑張った分だけ結果が出るということです。自分のやり方一つで学校を変えていけるというのは学校事務職員の魅力の一つだと思います。

 学校事務職員は、直接子どもたちの指導をするわけではありません。しかし、先生方が子どもたちとの時間を持てるように様々な面からサポートをすることで、子どもたちの成長の場である学校の運営に貢献できる、とてもやりがいのある仕事だと思います。

 ちなみにですが、給食を食べる事も出来ます。小学生や中学生だった頃給食の時間が大好きだった人も多いのではないでしょうか。
 私の勤務する厚木市では、中学校は給食センターから配送される給食ですが、小学校の多くは学校で作る、自校給食のため、温かいまま給食が食べられるそうです。
 同じ地区の小学校に勤める事務職員の方に話を聞くと、ボルシチやすきやきなどメニューが豊富で、「とても美味しくて、ついつい食べ過ぎちゃう」と言っていました。

学校事務職員を目指す皆さんへ

 学校事務職員という仕事は、よく「縁の下の力持ち」と表現されることが多いですが、まさにその通りです。学校事務職員の一番の仕事は先生方が子どもたちとの時間を持てるように様々な面からサポートをすることだと私は思っています。

 目立つような仕事ではありませんが、学校運営をしていく上でなくてはならない仕事だと思います。私もこの仕事に誇りを持っていますし、実際に学校現場で働くことで、この仕事の魅力を感じていただけると思います。

 学校事務職員は、これからの未来を担う子どもたちの成長を手助けできる素晴らし仕事だと思います。採用試験のこと、仕事のこと、たくさん不安があると思いますが、学校事務の仕事は、今まで培ってきた経験すべてが仕事の糧になります。
 ぜひ、皆さんの進路選択のひとつとして考えてみてください。
 皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。