銀行員が顧客の預金を着服、・・・身近の事例

 これも前にちょっと書いたような記憶があるが、私がこれを聞いて汲むべき
教訓と感じたのは、「特定の銀行員と過剰に親密になりすぎてはならない」と
いうことである。銀行員が顧客の預金、特に定期預金を黙って着服していた
という不祥事、事件は容易に根絶できないのかもしれないが。メガバンクの行
員などでも預金着服は報じられている。大手銀行の、しかも多少、役職もある
行員となると、まさかと思っても、信用してしまうものである。不心得者はどん
な銀行でも必ずいると考えておかなければならない。

 別に預金詐取でなくとも、みずほ銀行で役職ある支店銀行員が応接室に
顧客を招き入れて、投資勧誘をして、・・・実はまったくデタラメな投資話で、顧
客の資金をごっそり詐取とい事例もある。実際、銀行の応接室で行員のその
ような投資話をされたら誰でも捏造の話とは思わないだろう。

 私などと違ってこの世には莫大な預金を銀行に持っている人がいるものだ。
といってこの例は私の、・・・まあ、なんというか、叔母?亭主は私の父親の兄
で、この夫婦には長年、住居からの追い出し訴訟を行われて嫌がらせの限り
を受け続けたものだ。

 この夫婦、超という字を何百っ個もつけてもいいケチの極みだった。亭主は
衣料品の行商、妻は被服工場に勤めたり、行商に随行したりしていた。その
商売口は異常に巧妙で小商いの効率よい儲けを積み重ねて億の預金を持つ
にいたった。住んでいた家はかって「すくも小屋」といわれていたボロ家の改修
、子供がいない夫婦はやたら夫婦旅行をするものだが、この夫婦は海外旅行
を惜しみなくかなりの頻度で行った。この点だけに贅を尽くしていた。ラスベガ
スだけでも二回、・・・・・行ったのではなかったな。

 ケチを例証する話でこんなエピソードがある。この亭主にとっては三度目の
結婚でもう子供が出来ない、として分かっていたのか。大昔、妻の親戚筋か
ら幼い男の子を養子で貰っていた。間もなくの話である。その子がホタルを
取ってきたいという。だったら「ほたるかご」がいる。・・・その「ほたるかご」一個
を買うのが惜しくなって、「子供がこんなにカネがかかるなら戻そう」となって
、貰って何ヶ月も経たないというのに戻してしまったそうである。「あの家は再婚
ばかりだ」と町の人から揶揄される家系であった。



 ともかくあばら屋に住みながら何億も預金を持つに至った夫婦であり、当
然、田舎でこれほどの莫大な預金を持っている物はマレで、銀行からして
も多額の預金を預かるという意味で(事業家でなくケチって貯めただけ)重要
な顧客には違いなかった。

 もちろん複数の銀行に分けて預金していたがその多くは、広島銀行のかっ
て存在していた矢掛支店に預けていた。

 ◆預金額があまりに多額になって広島銀行だけで定期預金の通帳が10冊を
超えていた。管理もできにくいので

 預金通帳を銀行に預けていた、・・・なじみの行員にである

 一般に銀行員が顧客の預金を着服するケースはその銀行の店舗で役職の
ある行員が行うことが多い。この場合も矢掛支店の副支店長という役職があっ
た。

 その亭主が亡くなった。公正証書遺言はなかった。死んでしばらくして「遺言
が出てきた」と突然口にした未亡人。「遺産は全て妻へ相続」という内容である
らしい。だがこれは裁判所、・・・家裁での検認を受けなければならない。本来
は笠岡の家裁だが倉敷の家裁で遺言状の検認が関係者を集めて行われた。
法定相続人、・・・ただし兄弟には遺留分はないが、・・・やその未亡人、さらに


 遺言状を預かっていたと自称する広島銀行の行員も来て
いた。

 一人ひとりがその遺言状が真実のものかどうかなどを意見を述べた。自己紹
介もしなければならない。

 家裁での検認の、・・・係官、・・・女性だったが、容赦がない。遺言状を預かって
いたという広島銀行の行員、・・・この時点では移動していて矢掛支店にはいなか
った。女性裁判長というのか係官というのか、・・・厳しい追求にすっかり落ち着き
を失い、ろれつも回らなくなって、・・・・「この人物はなにか隠しているのではない
か」という疑念を出席者が持ったわけである。

 といって何も正式な裁判でもないし、とにかく手続きさえ終了すれば、よほど
のことがない限り、その遺言状は有効と認められる。

 私の父が法定相続人だが亡くなっているのでその子どもたちがそれを受け継
いだ。私は平日の昼間だし、欠席した。後日、家裁に出向いて検認における正
式な書類、・・・出席者の陳述などを記している、・・・・を受け取ってきた。

 だが、これを読んで私は釈然としなかった。この行員の陳述は信用出来ない
と感じた。そもそも銀行員が顧客の亭主の遺言状を預かるなど、・・・職務規定
で許されるとも思えなかった。すぐ広島銀行本部に問い合わせる手紙を書いた。

 それから数日して地元の広島銀行支店、・・・の行員が、この人にはコーポの
建設で何から何までお世話になった、・・・・入って来るなり「その家裁の書類を
いただきたい」、・・・「遺言状を預かったりしてはいけなんですが」と話していた。

 「何か隠している」と検認で出席者が感じたことは正しかった。

 その行員に10冊かそれ以上の通帳を預けていたため、自分で管理ができず
、金額もわからなくなっていたその夫婦であった、・・・・ため

 5000万円以上がその行員に着服されていた

 これはその後、刑事事件となってその行員は当時まだ存在していた矢掛警察
署に逮捕された。裁判の結果、実刑判決がくだされた。

 といって着服された金はもう戻らない。

 この件もあってか広島銀行矢掛支店は廃止されてしまった。跡地にはローソン
が出来ている。

 教訓

 銀行の行員とあまり親密になってはならない

 一つの銀行にあまり多額な預金を集中させてはいけない

 銀行支店での「役職」を信用してはいけない

 事実でも捏造でも銀行員に遺言状を預けてはいけない。職務規定で禁止されて
いる。

「泥棒にも三分の利」というごとく、行員に邪心を起こさせるようなスキを作って
はいけない。着服された方にも責任はある。

 、・・・・ということくらいでしょうか。
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