東芝の最終赤字が、
過去最悪の7100億円となる見込みです。
当初5500億円とされた予想から、
大きく膨れ上がる結果となりました。

赤字の原因はなんなのか、
解説してある記事はたくさんありますが、
お硬い経済用語が多く、なんだか難しいですよね。
でもよく内容を読んでみると、
意外とどこの会社にでもある、
企業「あるある」が詰まったニュースのように思います。

東芝が、不正会計発覚後、
経営不振が明るみとなり、
現在倒産の危機に瀕しているその理由。
その原因をわかりやすく
まとめてみることにしました。


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原因① 新規事業のあてが外れた


東芝が赤字に転落した一番の原因は、
「ウェスチングハウス」という
東芝が買収した米の原子力会社が、
2011年以降大きな赤字を出し続けている
ことにあります。

このウェスチングハウスを
東芝が買収したのは、2006年のこと。
当時の西田社長が打ち出した
「選択と集中」という方針により、
東芝はと「原子力」
二つの事業を本丸に据えました。

このときは、
原子力発電=今後需要が伸びて来るもの
と考えられており、
実際に、買収後のウェスチングハウスは、
2006年には32億円の黒字、
2011年には290億円の黒字と、
順調に伸びていました。

一般企業でも、これから伸びてきそうな事業に
大きな投資を決断することって、ありますよね。
ところが、そんな東芝の期待をよそに、
2011年の東日本大震災が起こってしまいました。

国内および世界の原発需要は一気に冷え込み、
福島事故以降、ウェスチングハウスによる
原発の受注はゼロに。その結果、
2012年には1000億円の赤字、
2013年には700億円の赤字と、
どんどん経営悪化を突き進んでいきました。

原因② リストラの遅れ


会社の業績が悪くなったとき、
まず考えるべきはコスト削減人員整理です。
でも、社長によっては、
なかなかそうした判断に踏み切れない人もいますよね。
「いつかは業績もあがるだろう!だから今は...」
という、甘い期待により、判断を先に伸ばしがち...。
って、そんな初歩的な経営ミスを、
本当に東芝のような大手がするのでしょうか?

実際、2008年当時、多くの国内メーカーを
リーマン・ショックによる不振が襲いました。
このとき、ソニー日立製作所パナソニックなど
大手メーカーは軒並み赤字に転落。
人員整理や事業の廃止・統合を急ピッチで進め、
なんとか踏みとどまることに成功しました。

ところが、東芝は経営不振にあるにも関わらず、
リストラを行わず、事業も縮小しない。
そんな強気な態度をとり続けました。
あげく、不正会計によって損失を隠し、
結果としてさらなる赤字を積み重ねていきます。

のちの東芝の室町社長も、こう振り替えっています。
「利益至上主義に走り、構造改革が後手に回った。
もう少し早く対策を取っていれば、
これほど大きな痛みになっていなかったかもしれない」


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原因③ 過剰な上層部の「チャレンジ」


それではリーマンショックによる不振の中、
東芝の社長たちはリストラ策を講じる代わりに、
一体なにを行っていたのでしょうか?

それは、隠した損失が明らかになる前に、
チャレンジ」というお題目の元、
厳しい数字目標の達成を各部門に課すことでした。

四半期・月ごとの業績報告会では、
現場からの報告や提案に対し、
毎回のように社長から
「『チャレンジ』への回答になってない。まったくダメ。やり直し」
こうした厳しい声が飛んでいたそうです。

また2012年の上半期のこと。
東芝のパソコンテレビ事業を運営する部門が、
業績の悪化に陥っていたときのことです。

部門の代表が、赤字を軽くするため、
「80億円を改善目標とする」現実案を提出しました。
ところが当時の東芝の佐々木社長は、
「3日間で120億円の改善に修正」することを要求。
当時部門の担当者は追いつめられたそうです。

原因④ 日常的な「不正会計体質」


このような、
「上司のありえない無理な要求」に対して、
「逆らえない部下」はどうするか?

結局、その場かぎりの対応をするため、
不正会計が社内で横行していくことになります。

リーマン・ショックが起きた2008年から、
2014年までの間に行われた不正な会計は、
およそ1500億円にも上ります。
1500億円の不正会計の内訳は、
1) インフラ事業における工事進行基準 477億円
2) 映像事業の経費計上 88億円
3) 半導体在庫 360億円
4) パソコン事業の部品取引 592億円

難しいですね。
簡単に言ってしまうと、
1) 工事コストが収益を上回ってしまった場合に、コストの計上の仕方を工夫し、その差(=損失)をなかったことにする
2) 取引先にお願いして請求書の発行タイミングなどをずらしてもらう
3) 作りだめした半導体の在庫を、いつまでも在庫(=コスト)として評価せず、さきのばしにしていた
4) グループ会社に高く売りつけ、一時的に利益をあげる(=市場で売れず、あとで買い戻すことになっても)

このように、まさに「ありとあらゆる」
手段と知恵を使い、上層部から現場にいたるまで
見せかけだけの数字達成をしようとする姿勢を
貫き続けたのです。

まとめ


東芝の赤字問題には、
(1)
2006年の原発事業への舵取りが、
2011年の東日本大震災で
大幅にポシャってしまい、
大きな損失を出したこと。

(2)
2008年のリーマンショック以降、
上層部がリストラなどの構造改革をせず、
損失を隠しながら無理な数字目標を掲げ、
結果不正会計が社内で横行したこと。

これらが、大きな理由として挙げられます。
ですが、正直あまり他人事とは思えず、
どの会社にもありがちな企業あるあるも、
多分に含まれるのではないかと...
明日は我が身と思って、このニュースから学んでいきたいですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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