不正会計発覚の東芝は上場廃止の危機も

筆者 鳥羽賢 |

 電機大手の東芝が、不正な会計問題で揺れている。問題が発覚したのは5月8日で、その後1週間以上経った現在でも事件の全容は明らかになっていない。これから第三者委員会が詳しい調査を開始するが、その結果次第では上場廃止となる可能性もあると言われる。

 

工事の原価を過小見積もり

 

 東芝問題の発端は4月3日、インフラ関連事業における会計処理で、調査すべき問題があると発表したことだった。そこで特別調査委員会が設置され、会計処理問題の調査にあたった。

 調査開始後1ヶ月以上経った5月8日になって、ようやく「インフラ関連事業で原価

が過小に見積もられていた」と判明した。ここで不正会計問題がついに公になる。

 発表前の8日には終値483円だった東芝株(銘柄コード:6502)は、週明けの月曜11日にはストップ安403円で寄り付かずに終了。12日火曜になって380円で初めて寄り付いた。その後は18日まで主に400円台で推移しているが、問題発覚前の483円にはまだ1度も戻っていない。

 そして11日以降に、少しずつ問題の詳細が発表されていった。問題となった不正会計が行われた疑いのある工事は9件あり、そのため2011~13年度の営業利益が500億円程度下方修正されることになるという。

 また2015年3月期決算も確定できなくなったため、発表を6月以降に延期とした。そして期末配当を5年ぶりに無配として、さらに6月に開かれる予定だった株主総会まで延期される見込みになっている。

 東芝は不正会計問題についてさらに詳しく調査をするために、弁護士2人、会計士2人の計4人から成る第三者委員会を設立。同委員会はこれから調査にかかるが、いつまでに調査を終えるかは未定という。数ヶ月か、下手をしたら1年以上かかるかもしれない。

 東芝の不正会計問題はかなり根深いものと見られているので、これまで発覚した以外にもたくさん不正がある可能性がある。そして場合によっては粉飾決算と認定されることもありうる。粉飾決算、あるいは東証の上場廃止規定に抵触するような他の不正が見つかった場合は、東芝株の上場廃止もあるかもしれない。

 最近は同じ電機大手のシャープにも経営不安が浮上している。シャープは8日に資本金を1218億円から1億円にするという、前代未聞の大幅減資を発表した(後に5億円に修正)。さらに14日に発表した中期経営計画が、リストラ中心で肝心の収益を上げる手段が盛り込まれていない内容のため、投資家の失望を誘った。シャープ・東芝ともにかつては日本の電機業界の中心的企業だったが、今はどちらも厳しい状況に追い込まれてしまっている。
 



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筆者について

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。