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 朝起きて見つけてざっと書いた大阪の病院で治験薬データ改竄疑惑 依頼の小林製薬は法的手段検討もの続き。

 朝日新聞の無料部分を読んだ感じでは、誰が不正を起こしたのかよくわからなかったのですが、スポニチではこんな書き方でした。
小林製薬 「やせ薬」治験で不正か 身長偽装、申請取り下げ スポニチ

 小林製薬によると、同病院は民間の大手支援機関「サイトサポート・インスティテュート」(東京)からの紹介で、関わった担当医師2人はその後退職した。1人は小林製薬に「身長を測ったのはサイト社の担当者。われわれはカルテに転記しただけだ」と説明。病院にスタッフを常駐させ、治験を支援したサイト社からは回答がないという。

 小林製薬は被験者の要件を、身長と体重から肥満度を算出する体格指数(BMI)が25以上35未満となるよう定め、肥満ぎりぎりの25付近に偏らないよう病院に要求。

 しかし12年9月に報道機関から指摘があり調べたところ、被験者72人のうち6人が同病院の職員と判明した。うち4人は治験のカルテに記載された身長が、10年6月の健康診断の記録より4・2~9・7センチ低くなっていた。中には健康診断で60キロだった体重が70キロとされた女性もいた。

 小林製薬は「弁護士に依頼し、法的手段も視野に、病院、医師、サイト社に対する事実確認を続ける」としている。千本病院は「被験者の身長に事実と反する記載があった。深刻な問題で、遺憾だ。退職した2人の医師や支援機関に協力を求め、解明に努める」とするコメントを発表した。
[ 2013年6月30日 12:17 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/06/30/kiji/K20130630006120300.html

 病院側は退職者ということもあるのか、一応「我々は関係ない」といった逃げの姿勢でもないんですかね?

 とりあえず、退職した担当医師の1人は、「身長を測ったのはサイト社の担当者。われわれはカルテに転記しただけだ」としています。

 これだけ読むと、不正を行った疑いがあるのは「サイトサポート・インスティテュート」スタッフだけのように見えます。


 ただ、千本病院も怪しいのです。

 前回書いたときに読んでいなかった記事の有料部分にはこうありました。
朝日新聞デジタル:肥満度上昇「これ僕じゃない」 治験データ改ざん疑惑 2013年06月30日05時19分

「被験者の人数がそろわない」「同僚も参加するから」――。2010年春ごろ、この女性は職場の上司や同僚から、そんな言葉で治験への参加を誘われた、と振り返る。(中略)

50代の男性職員は身長が約10センチ低くなっていた。「被験者が足りない」「人数あわせだ」と職場で声をかけられた、という。男性は「太ってはいなかったが、病院を助けようという気持ちだった」と話した。

 診察の際、治験責任医師の元内科部長(43)から「参加してくれるんや、ありがとう」と感謝された。
http://digital.asahi.com/articles/OSK201306290135.html

 これは前回の大阪の病院で治験薬データ改竄疑惑 依頼の小林製薬は法的手段検討もで書いた憶測の"適性な対象者を集めることができなかった、あるいは集める手間を惜しんで不正を行った"を思わせる行為です。

 さらに朝日新聞には"治験記録の被験者の登録票や同意書には医師とSSIのスタッフの双方の名前が記されている。記録作成には両者が関わっていた"ともしています。

 まだ病院側はシロだとは言い切るのはちょっと難しいと思います。


 なお、朝日新聞の取材では、「サイトサポート・インスティテュート」が"一般論として「被験者は治験実施計画書に記載された基準に基づいて責任医師が登録する」とする"として、当時の担当医師とは正反対な感じの説明をしています。

 何か互いに責任を押し付けあっているように見えますね。


 それから、今回の不正問題では、小林製薬は今のところあんまり悪くなさそうに見えます。

 というのも、そもそも問題を見つけたのは、小林製薬だからです。

 この種の不正では外部からの指摘で問題発覚ということが多くて嫌になりますが、小林製薬は報道の前の2月の時点で国への製造販売承認申請を取りやめてはいます。

 でも、このときに発表しなかったのは、やっぱりあんまり良くないのでしょうか?たぶん今回は朝日新聞が報道して発覚って形ですよね?

 とりあえず、サイトサポート・インスティテュートと千本病院のところはぐちゃぐちゃですので、この小林製薬の件を含めて、続報待ちという感じでしょうね。


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