赤福不祥事とは

2007年10月12日に、三重県伊勢市の和菓子メーカー『赤福』が、農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)違反の疑いで、農水省と保健所の立ち入り検査を受けました。

この保健所の立ち入り検査は、伊勢名物で有名な赤福餅について「夏場に品質保持期限を偽った商品がある」と匿名の通報を受けたことによるものです。

農水省と保健所の立ち入り検査で、改めて聞き取り調査を行った結果によると、売れ残り品等の赤福餅を再回収し再度冷解凍を行ったうえで、製造年月日を再解凍の日付にあわせ包装をしなおす「まき直し」と呼ばれる行為のほか、原材料名の表示についても使用の多い重量順から表示する決まりに従わず、「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを「小豆、もち米、砂糖」と表示していたことがわかりました。

特に、「まき直し」と呼ばれる売れ残りの赤福餅の再出荷は、平成16年(2004年)9月1日から平成19年(2007年)8月31日までの3年間に総出荷量の18%に当る約6百万箱に偽装が行われるなど恒常的に行われていたことが判明しています。

これを受けて赤福本社では赤福餅の出荷を現在取りやめているほか、ホームページや各店舗も「大変ご迷惑をおかけしましたこと、誠に申し訳なく、深くお詫びいたします」とのお詫びの文章が掲載・掲示され営業再開の目途が立っていない状態です。


赤福餅と偽装工作

赤福餅といえば、創業300年といわれる三重県伊勢市の赤福本社が製造する誰もが知っている有名な和菓子です。地方産のお土産物出荷量としても、これまで日本で一番出荷量が多いとされてきました(ちなみに2位は、不祥事があるまでは「白い恋人」でした)。

赤福餅の「赤福」は「赤心慶福」(せきしんけいふく)という言葉に由来し、まごころ(赤心)をつくすことで素直に他人の幸せを喜ぶことが出来る(慶福)という意味だとされています。今回、この名前の由来を損なうような偽装工作がなされたのですが、その内容はどのようなものだったのでしょうか。

まず、食品衛生法及びJAS法という食の安全を定めた法律では、販売する食品に賞味期限(または消費期限)を明示するよう謳ってあります。赤福の場合、「あんこ」と「もち」というきわめて鮮度の高さが求められるなま物のため通常5日以内の消費が望ましいものにつけるとされる賞味期限(消費期限)の明示が必要です。

もちろん、赤福も賞味期限を表示していましたが、売れ残り品などを回収して冷凍し、包装を巻きなおし再度、新しい品質保持期限を付け直して再出荷するほか、回収した赤福餅を餅とあんこに分けて、それぞれ再度別の商品の原料として子会社に出荷したりもしていました。


赤福に続き御福餅も

赤福の不祥事が発覚後、赤福本社が営業停止となり当然赤福餅が出荷されなくなりました。

赤福餅はもともと主に伊勢神宮への観光客のお土産として販売されていたものです。しかし、現在では伊勢神宮のある三重県だけでなく、近隣の岐阜県、愛知県でもたくさんの赤福が中京方面のお土産物として多数出荷されています。

赤福餅が出荷、販売されなくなり、観光客が飛びついたのが類似品の御福餅でした。御福餅も、創業100年の歴史をもち、赤福餅とほとんど同じあんこと餅の類似品。「赤福がないなら、御福餅を」と多くの観光客が飛びつきました。

そして、赤福餅の不祥事が報道の影響があってか、名古屋駅の売店などでは地元産のえびでつくる「ゆかり」せんべい、浜松の「うなぎパイ」を抑えて赤福ファンによる御福餅の買占めが多く、数週間他を寄せ付けない独走が続いたといいます。

しかし、10月30日に三重県と農水省が御福餅を製造する和菓子メーカー「御福餅本家」(三重県伊勢市)に立ち入り調査し、製造日の翌日を製造年月日と印字し賞味期限を一日先延ばしする「先付け」という不正を行っていたことが公に判明しました。

特に、御福餅本家の場合は、四日前の26日に新聞紙の取材に「赤福さんのようなことは一切ありません」と社長がコメントしていただけに、観光でにぎわう伊勢のブランドイメージに二重のショックを与えることになりました。


 

Copyright (C) 2007 赤福の不祥事から考える食の安全 All Rights Reserved.