【IRアナリストレポート】三栄建築設計(3228)

~都心型3階建て木造住宅で業界トップ、攻めの局面に入る~

ポイント
・2015年8月期は2年ぶりにピーク利益を更新するものと予想する。上期は経常利益で前年同期比-31%減となったが、仕込みはできているので、通期では会社計画通りに進捗しよう。前年度は不祥事の影響もあり販売を優先したので、土地の仕入れが遅れ気味となった。その影響が上期に出たが、課題も前期で総て落着しており、今期からはフル回転で攻めに向かっている。

・2013年5月に、金融庁の証券取引等監視委員会の調査が始まったが、小池社長に対する相場操縦などの嫌疑は、結果として問題にされなかった。ただし、その過程で社長の名義貸しが発覚し、これが法令違反に問われた。すべてに対して真摯に対応したので、課徴金の支払いで事態は収まった。社外取締役を2名入れてガバナンス体制を強化し、2015年8月期より小池社長も経営に専念できるようになった。

・当社は、東京23区内に建てる3階建て木造住宅企業として、業界トップである。15~20坪の狭い土地を有効活用して、家賃並みの費用で、都心に近く便利な戸建て住宅を4000万円台で提供するビジネスモデルである。しかも、1戸1戸の家づくりを考え抜いて、オンリーワンの分譲住宅づくりを実践している。このニッチ戦略が功を奏して、年間1400棟を供給する実績を作り、仲介業者からも評価されるブランド力を付けてきた。

・売上高1000億円に向けて、次なる戦略も打ち始めた。本体とは別の発想で、事業ポートフォリオを広げている。郊外エリアに2階建ての戸建て住宅を建てていくために、子会社「三建アーキテクト」が活動を広げている。2×4(ツーバイフォー)工法で、年収350~400万円の若い世代に3000万円程度の戸建分譲住宅を提供しようというものである。また、関西への進出を図る拠点作りとして、京都のシード平和(コード1739、ジャスダック上場)に資本参加し、子会社化した。ここも黒字化してきたので、いい方向にある。

・中期的には売上高1000億円、経常利益100億円を目指しているが、その方向に向かって進むことができよう。課題は、当社の個性をニッチな市場戦略にうまく活かすことができるか。この戦略作りが注目される。当面の業績は好調でROEも17%と高い。会社のサステナビリティが認知されれば、株式市場での評価は大きく好転しよう。

目 次
1.特色 東京23区内の3階建て木造住宅で業界No.1
2.強み コスト競争力と都市型ビルダーとしてのブランドが向上
3.課題 証券取引等監査委員会への対応~2014年8月期で落着
4.中期経営方針 三建アーキテクトとシード平和の展開に注目
5.当面の業績 2年ぶりにピーク利益を更新へ
6.企業評価 個性の差別化をいかに追求するか

三栄建築設計(3228)
企業レーティング
株価(15年5月12日)926円
PBR0.90倍
ROE17.1%
PER5.3倍
配当利回り2.1%
時価総額196億円(21.22百万株)
総資産43617百万円
純資産21755百万円
自己資本比率49.1%
BPS1025.4円
(百万円、円)
決算期売上高営業利益経常利益当期純利益EPS配当
2009.82911422201992104349.25.0
2010.830123473444682312109.07.5
2011.837784514348132703127.415.0
2012.848634531848952725128.422.5
2013.851151602756513340157.519.5
2014.852927460344522549120.219.5
2015.8(予)65700610058503710174.919.5
2016.8(予)77000750072504600216.825.0

(15.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2012.8期までは単体決算、2013.8期からは連結決算。2010年3月に1:200、2011年2月で1:2、2011年11月に1:2の株式分割を実施。2012.8期の配当は、1部上場記念配5円分を含む。2012年8月に2.3百万株のファイナンスを実施(10.8%の希薄化)。2012.8期以前のEPS、配当は各期末修正ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

 

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