警察官と警備員、どう違う?

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警備員は武装を御目こぼしされた民間のセキュリティ対策のプロ。




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日本では1972年に警備業法という法律が制定され、また80年には全国警備業協会という業界団体が置かれて警備業者が事業を取組む際の活動指針が取り決められることになりました。

しかし、それまでの警備業界は違法行為が横行しており、日本の警備業者はアメリカのセキュリティ企業や、民間戦争会社と同様に独特の闇の雰囲気が漂っていました。

とくに大手企業の私兵集団、あるいは”私設警察”と化していた特別防衛保障(チッソの警備を受注)という警備会社は水俣病患者を脅しつけ、支援者の大学生らをシバキ倒し市民からとみに嫌われ、社会問題として国会でも取り上げられるほどでした。

そのほか、会社の労働争議でもこのような警備会社が警備と称して社員や一般人に暴行したりすることがありました。

一方で、大都会東京の夜を守る警備員たちを描いた傑作ドラマ「ザ・ガードマン」は実在の警備会社をモデルとして描いており人気となりました。

警備業者と警備業法

警備会社及び警備員の役務は警備業法という法律で定められており、各警備会社は警備業法に則って業務に従事します。

この法律は細部まで明文化されており、違反すると会社名を警察に公表される行政処分を受けます。

また、警備業法第3条に規定されている欠格事由の中に下記のような項目が明記されています。

このように犯罪者は警備員になれないことを明文化しているのも特徴です。

つまり警察官同様に、警備員もまた犯罪者はなれない職業です。

とくに交通誘導を除くすべての警備会社では犯歴チェックに会社が目を光らせています。

ただし、明記のとおり、犯罪者であっても5年を過ぎていれば問題ありません。

また、警備業法を守らない警備会社はその社名を警察によって公表されます。実は警備会社の中には法律を守らず、行政処分を受ける社も、実際に存在します。

このような会社は管轄の警察によって社名を公表されていますが、その理由は一般市民や一般企業が法律を守らない悪質な警備会社を使わないようにするためです。

例えば北海道では、数社が北海道警察本部に公表されています。中でも、深川市に本社を置くある警備保障会社は2014年および2015年と繰り返し複数回の業法違反を起こして行政処分を受けていることが北海道警察の公式サイト上を見るとわかります。

警備会社と契約する際は、きちんと警備業法を順守している業者であるか、警察に公表され行政処分を受けるような警備会社ではないか、確認のうえで契約することが大切と言えるでしょう。

社名については北海道警察公式サイトで公益性を図るために公表されている内容を出典としています。

日本の警備業界には大別して4つの業務がある

日本国内で警備員が行える業務は、1号警備の施設警備から、2号の交通誘導(雑踏)警備、3号の貴重品輸送警備、4号の身辺警備(警護)と警備業法で4つに大別されています。現在、業界団体が警備の適正化に向けて努力しており、様々なサービスが企業のみならず、一般家庭に売り込みを図られています。

1号警備
施設警備と呼ばれる業種で、店舗内などの保安、警備を行います。企業が独自に組織する自主消防組織の自衛消防隊の構成員でもあります。
2号警備
雑踏で交通誘導を行います。警察の交通規制と違って一切の権限はありませんが、誘導をミスって事故を起こした警備員に賠償命令や、有罪判決が下った判例もあります(※後述)。
3号警備
おなじみの現金輸送の警備員です。正式名称は貴重品運搬警備業務です。警送中は路上でけが人を見つけても、止まってはならないと会社から至上命令を受けています。
4号警備
いわゆるボディーガードです。大臣などの公職の場合は、警視庁のSPやそのほかの警察本部の警護員が警護を行いますが、民間企業の重役などのVIPを警護するのは民間警備員です。ほとんど元警察官です。

警備員が持つ権限ってあるの?

警備員は警備会社に雇われている「会社員」であり、警備業法を根拠とする警備のプロとして、知識と技術力を以って第三者の依頼に基づきその生命、身体及び財産を守るのが仕事です。

しかし、警察官が街で見かけた犯罪者を根こそぎ検挙できるのに対し、警備員が警備業務を行うにあたり特別な権限は一切ありません。

白シャツの男性『やったああ!ニートの僕もついに道路工事の旗振り警備員に採用されたぞおっ!』

警備員『ちょっと、職安の玄関前で踊らないでください・・!』

[モデル:大川竜弥 森翔太]

あくまで一般の私人としての現行犯逮捕の権利や、施設管理者から委任を受けた施設管理権などしかないので、明確な現行犯は私人の権利として逮捕ができますが、それ以外のことについては施設内から退去を要請するか、警察に通報することで対応しています。

また、警備員は店内で万引き犯を捕まえても、取り調べ類似行為を行うことはできません。

テレビで万引き保安員が万引き犯に説教するのはまだしも、恫喝する場面をよく見ますが、一般論では違法行為となります。

ですから、警備員と言っても、警備業法によって特別な権限が与えられているわけではないことに留意が必要です。

警備員が駆け付ける「機械警備」って?



※努力義務として明記されている。

警備業界では1960年代から大手警備会社が防犯アラームによるサービスをはじめ、一般企業がこぞって導入し、警備業界の革命になりました。

昨今は、一般企業のみならず、ホームセキュリティと銘打って一般家庭への防犯アラーム導入や、警備員の臨場サービスも一般的となり売り上げを伸ばしています。

これはいわゆる「機械警備」といわれる業務で、留守宅や事業所
に防犯センサー類を取り付けて、窓割れや侵入などの発報を警備会社のセンターで感知すると、警備員が車で駆けつけるというものです。この機械警備も施設警備の中の一つとして定義されています。

なお、警備員が駆け付けるまで25分位以内としなければならないと警備業法で努力義務が明記されており、25分を過ぎると、公安委員会から厳しく指導される大変厳しいものです。

ただし、警備会社の車両は、ガス会社や電力会社の様に緊急自動車の指定が一切認められず、道路交通法上や警備業法上でも警備会社の車両は一般車両と同じ扱いとなります。

また、北海道では面積が広大なために30分以内というローカルルールが設けられています。

 

日本の警備員の武装

警備員に特別な権限がないと言っても、警備員には日本の民間企業の社員としては唯一、法律で明確に武装がおめこぼしされていることは事実です。現在、日本の警備員が所持を例外
として御目こぼしされているのが警戒棒、いわゆる特殊警棒です。この特殊警棒も警察官のものと同様に、ツバが取り付けられ、防御性能が上がったタイプを所持できるようになりました。アルソックの警送は、ジストス警棒を使用しています。

これまで日本の警備員には警備業法発足当初から一切、銃による武装は認められておらず、銃を持った武装強盗に襲われ現金を奪われる事件が相次いでいます。

一見、頼りなさそうにも思えますが、現金を奪われたとしても保険でカバーできますし、警備員が無駄に抵抗してケガでも負うと、あとで警察に嫌みを言われ怒られるだけなので、無駄にアバレたりはしません。会社もそのように指導しています。

また、銀行へ行くとたまに、現金輸送車が止まっていて傍らに長い木製の棒を抱えた警備員と遭遇することがあります。あの棒は警杖と呼ばれる武器で、警察では古くから配備されていますが、警備員にも近年、使用が御目こぼしされました。

さらには、さすまたやポリカーボネートの盾も所持が可能になりました。

しかし、スタンガンや催涙スプレーは所持ができません。


警備員はどうして警察官と似ている服を着ているの?

警備員は施設の管理権限を持つ職員として、一般の利用客や職員と異なる服装をすることが必要です。そこで制服が必要になります。とはいっても、警備員は必ずしも制服を着用する法的義務はありませんし、1号警備の万引き保安員やボディーガードを行う4号警備では、私服を着ることがほとんどです。

しかし、やはり警察官の制服にある程度似せることで何らかの権限をもってるように見せかけるためだと考えられます。

ただ、前述したように施設の管理権限は持っています。しかし、法律によって、警備員の制服は警察官や海上保安官のものとそっくりにすることは禁止されています。

しかし、多くの警備会社では、警察官と限りなく似た制服を着用しています。とは言っても、あとから制服をアメポリ風に改定したのは警察のほうです。

ただ、中には一般的な警備員の紺色やブルーの制服ではなく、カラフルでとても警備員には見えない制服を採用する警備会社もあります。

ほかにも北海道のパチンコ屋の子会社の警備会社は予備自衛官(元自衛官で退職後も予備役として登録しつつ民間企業などで働く者)を大量に採用し、迷彩服を制服代わりとして着用させ警棒を下げさせてパチンコ屋の中を闊歩させて警備を行っているところもあります。



 

交通誘導警備で誘導した車両が事故を起こすと警備員も責任を問われる

よくネット上で「路上で警備員の交通誘導に従った結果、事故が起きてもすべて運転しているドライバーの責任で、警備員の責任は問われない」という記述を見かけますが、実際は警備員の誘導の結果、事故が起きた場合、ドライバーは運転者として当然、場合によっては警備員にも過失責任は生じます。

実際、過去には女性交通誘導警備員の誘導の結果、歩行者の幼児が命を落とした事故を巡る裁判において警備員側の過失を認めた判決が出ています。「あんたが誘導したんだろう!!」とは、女性交通誘導警備員の誘導が因果とするこの事故で、加害ドライバーが事故直後、女性警備員に放った言葉だそうです。

判決を受けた女性警備員は公判中、終始肩を震わせて泣き、判決後は「生活は苦しいけれど、警備員のような人の命に関わる仕事はもうしたくありせん」とコメントしています。さらに、この女性警備員が所属する警備会社は、警備業協会に未加入でした。

引用元

 

さらに2017年6月には片側交互通行の工事現場において、バイクが行ったのに警備員が無線で連絡を取り合わず、衝突事故が発生し、1人が死亡する事故が発生しています。この事故でも警備員および現場代理人の3人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されています。今後は民事で警備員個人への賠償請求裁判があると思います。

交通誘導警備はよほど注意力があるか、コミュ強の人以外は絶対にヤラないほうがいいとおもいます。

権限がないのに責任だけ個人に負わせられるって超絶悲惨ですよね。

もう人間の交通誘導警備員より、機械の「フリフリ君」を置いといたほうがいいんじゃないでしょうか・・。

警備会社の新サービスが続々。「ネット炎上監視サービス」も登場

警備大手のアルソックでは2014年12月から情報警備と銘打って、ネット炎上監視サービスをはじめています。費用は月額10万円。警備業界では、本来任務の警備からかけはなれたサービスで生き残りをかけているようです。

先日は、大手警備「セコム」が公式ツイッターで大炎上したことも話題になりました。

現代では、社員やアルバイトの悪ふざけのツイート、ブログ記事ひとつで会社の企業スタンスや社員の品性を疑われるようなこともしばしば起きています。

また、交通誘導を主とした警備業務を中心に事業をしていた四国の警備会社「四國中央警備保障」では女子中学生のブルマ写真集を発売しようとしてネットで炎上した例もあります。実際、四國中央警備保障には「社長をぶち○してやる」「○ね」「家に○をつけてやる」などの電話がひっきりなしにかかってきたそうです。同社はその後解散してしまい、ブルマの写真集や社長の安否がどうなったかはわかっていません。

福島第一原発警備員「仕事を辞めたい」と言い出したら、ハケン会社の幹部社員が豹変した!

福島第一原発と言えば、いまだに放射能漏洩が収束せず大量の使い捨て作業員による人海戦術で作業をやっている日本随一の超危険区域。その過酷な蟹工船状態の現場では逝去者の発生も他の原発よりも多いようです。

しかもこの通称「フクイチ」で働く作業員たちは、拉致されたりどこかから無理やり連れてこられたワケアリの人たちが労働に従事しているとして話題になっています。

実は古くから、日本では原発ビジネスには、組織暴力がかかわってきており、組がホームレスや借金のカタに売られた人を危険な炉心作業員としてかき集め、全国の原発に送り込んでいます。

作業員のほか、福島第一原発のハタフリ警備員もまた違法に集められた人材が多いようで「辞めたい」と言い出した24歳の警備員が派遣のニンプ屋の役員から脅しつけられ、バットでボコボコにされたそうです。

犯人の人材派遣会社の役員(36)ら2人は監禁、傷害容疑で逮捕されたそうですが、軽作業で高収入と言われてホイホイついてったら原発の除染作業員や警備員という現実もあります。

警備業界が多くの人々から信頼されるような業界に、早くなれるといいですね。


記事の執筆者・著作権者 POLICEMANIACS.COM



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