12月5日(2014年12月)、大韓航空の趙顕嫉・副社長(40)がニューヨークから韓国・仁川に向かう自社機内で、マカダミアナッツ提供をめぐる客室乗務員の接客サービスに激高、離陸寸前だった旅客機を搭乗口に引き返させ、機内サービスの責任者である男性事務長を降ろした「ナッツ・リターン事件」について、『週刊新潮』は「韓国財閥ではそんなことは日常茶飯事」だとレポートしている。

   大韓航空をはじめ、韓進海運や韓進交通など物流を中心に観光・ホテル部門やIT部門まで幅広く事業展開する巨大コングロマリット「韓進グループ」は、韓国の資産上位10大財閥の一つに数えられ、年間売上高は約25兆ウォン(日本円換算で約2兆7000億円)にも上る。

   ここの長男・趙源泰も今回問題を起こした姉同様、何かと問題の多い人物らしい。<2005年、彼が高級乗用車でソウル市内をドライブしていた時のこと。延世大学校の正門前付近で車の割り込みをした。割り込まれた方の運転手は驚いて急ブレーキを踏み、はずみで助手席の妻が窓ガラスに頭を打ちつけたという>(週刊新潮)

   割り込まれた車から母親が出てきて、趙の運転の乱暴なことを詰った。すると趙は激怒して、あろうことか老女の胸を両手で突き車道に押し倒してしまったという。彼女は後頭部を地面に打ちつけて入院する事態になり、警察も駆けつけた。

飲酒運転、大麻、裏口入学...

   日本でも馴染みのあるロッテでは副会長の長男が問題児だそうだ。94年、海外留学から一時帰国した際、友人らと飲酒運転をした。その時、自分たちの前に割り込んだ軽自動車の運転手に「軽自動車のくせになまいきだ」と因縁をつけ、頭に瓦を叩きつけるなどして暴力をふるったという。さらに97年にも大麻使用で起訴されている。

   韓国財閥で2位の地位にある自動車メーカーの現代グループでは、麻薬スキャンダルが目立つそうだ。これまでも創業者の孫3人が大麻喫煙で起訴されており、その中には22歳の女子大生もいた。建設・金融大手の韓火グループでは、金升淵会長の次男が2011年、車で接触事故を起こした後、現場から逃走して700万ウォンの罰金を科せられた。

   韓国経済を牽引する最大財閥であるサムスン電子グループでも、家族がらみの不祥事が社会からの非難を招いたことがあるそうだ。トップの李健煕会長の長男、在鎔副会長が将来の後継者と目されているそうだ。その在鎔副会長の長男は超エリート私立中学に通っていたが、昨年、これが裏口入学だったという疑惑が浮上した。結局、長男は自主退学に追い込まれアメリカに留学したという。

   なぜこのように韓国財閥には不祥事が多いのか。元朝日新聞ソウル特派員の前川惠司氏がこう解説する。<「韓国の財閥系企業は、政府からの『特恵』を受けてのし上がってきた会社ばかり。現場の苦労を知らないので、株式を公開し、有名企業の仲間入りを果たした今も、一族は従業員に対し、絶対王政を敷くような高慢な態度が取れるわけです」>

   日本の大企業グループの「御曹司」にも同じような輩が多いと思うが、メディアが弱いのか、日本人が忘れっぽいのか、すぐにそうした話は消えてしまうが、韓国は「恨(はん)の国」だから、国民がなかなか忘れてくれないのだろう。ナッツ・リターン事件はまだまだ尾を引きそうである。