マネジメント/マネジメント事例

企業の不祥事にみる、謝罪会見のあり方とは

企業不祥事に対する注目度の高まりとともに、目にする機会が増えてきた謝罪会見。この謝罪会見を含めた不祥事対応の良し悪しで、その企業に与えるダメージの大きさにかなりの違いが出ると言っても過言ではありません。ある意味、究極のリスクマネジメントととも言える不祥事対応、謝罪会見のあり方について、ガイドの記者時代の経験を踏まえて解説します。

「書き得」にさせない対応とは

不祥事発生時の謝罪会見において、まず何よりも大切なことは「迅速さ」です。謝罪会見で失敗しマスコミ叩かれた企業の多くは、この点で失敗を犯しています。「迅速さ」とはすなわち、速やかな会見の設営のことなのです。

不祥事対応は迅速な会見設営がポイント

会見設営が遅れた場合に起きる最悪の事態は、「書き得」と言われる状況に陥ることです。「書き得」とはすなわち、マスコミの人たちが当事者の対応がないことをいいことに、憶測であることないこと、しかも当事者にとってマイナス情報ばかりが次々と書かれたり、電波に乗って垂れ流し状態になってしまうことをいいます。この状態は、書き手の自由に何でも書けるので「書き得」と言われるのです。

「書き得」の呼び水となる最悪の対応が、マスコミの問い合わせに対する「ノーコメント」回答です。「ノーコメント」とは、書く側にとっては「ウチは何も言いませんので、どうぞお好きに書いてください」と言っているようなもの。記者も人の子、対応の遅さや情報隠ぺい対応で気分を害すれば、感情にまかせて当該企業の悪口に近い記事も書かれかねないのです。

重大な不祥事発生時には、まず会見の設営場所と時間を速やかに決定し、不祥事に関する情報の積極的開示姿勢を明らかに示すことです。その上で、マスコミからの電話等の問い合わせには、「○○時からの会見で説明します」と回答するのがセオリーです。

重大な不祥事になると、社内の複数の人間が電話での問い合わせ等に答えることになりますが、ここで各人の対応の不揃いやまずさが、取材側の機嫌を損ねたりしてあらぬ記事を書かれる原因になったりします。とにかく「すべては○○時からの会見で説明しますので、そちらでご質問願います」の一言に統一することで、このリスクは回避できるのです。

「マスコミ=利用者」と心得、原則トップが会見

会見の場所と時間が決まったら、誰が出席するかを決めます。ここはかなり慎重対応が必要です。重大な不祥事の場合には、トップが会見に臨むこと、これが基本です。この点でもよくある失敗は、まずはナンバー2や担当役員に会見をさせてマスコミの反応を見て、収拾がつかないようなら社長が出る、というパターン。

この点で覚えておきたいことは、取材側から見た際にはトップが出ないということは、「この不祥事をトップはたいした問題じゃないと思っているのですね」という受け取られ方をされるのが一般的であるということ。企業トップたるもの、常に批判にさらされる勇気をもって積極的に対応して欲しいところです。