【神奈川】

止まらぬ藤沢市職員不祥事 市担当者「対策立てても抜け道」

不正支出が判明した生活援護課が入る藤沢市役所新館=同市朝日町で

 藤沢市で、公務員の不祥事が止まらない。市スポーツ推進課で男性主任による約二百万円の着服が昨年六月に発覚したのをはじめ、一年余りで三件の着服が発覚した。九月には、職員とみられる何者かの指摘により、不正に支出された現金が市役所内で見つかる異例の事態も。藤沢市で何が起こっているのか-。 (布施谷航)

 「藤沢市は、不祥事対策が進んでいるはずなのに」。ある職員は、同僚の不祥事が止まらない現状に嘆息する。

 市は二〇一二年、当時の自治体としては先進的な試みとして、業務が適切に行われているかをチェックする「業務記述書兼リスク管理表」を導入。管理表には各部署ごとの業務の手順が記載され、職員が行った業務内容を上司が確認する欄を設けている。さらに管理表は各部の総務部門に集約。担当課だけでなく総務担当職員も調べ、二重のチェックをしてきた。

 リスク管理表が導入されたのは、当時の市役所に不祥事への厳しい目が注がれていたからだ。

 一一年四月、当時の副市長が公務外で静岡市まで公用車を使用。八月には市役所職員の食堂で、海老根靖典・前市長を含む市幹部と職員計約八十人が、火災報知機を外して炭火バーベキューの懇親会を行い、煙探知機が作動して防火扉が閉まる騒ぎを起こした。

 こうした中、一二年二月の市長選では、「コンプライアンス重視」を掲げる鈴木恒夫市長が海老根氏を破って初当選。不祥事は一時落ち着いたが、今年二月に二期目に突入するのと相前後して、現金着服が次々発覚した。鈴木市長は「内部統制や法令順守をうたってきたが、土壌改善できなかったのか」と漏らした。

 相次ぐ不祥事を受け、市は今年五月、現金を扱う業務を再点検し、五十一件を改めた。これまで、市役所に来た税金の滞納者が説得に応じて税金を納めるケースや、年金保険料が現金書留で送られてきた際の入金などは一人で行ってきたが「着服につながりかねない」として、複数人で行うように変更。新たにリスク管理表のチェック項目にも加えた。

 しかし、九月にはリスク管理表から漏れていた新たな不正が発覚した。市役所に「生活援護課の金庫と壁の間を調べろ」との匿名の投書があり、指摘の場所を探すと百五十七万円が見つかった。

 この現金は、生活保護受給者が鍼灸(しんきゅう)院で施術を受けた際に支払われる医療扶助費について、職員が受給者に成り済まして書類を偽造し、不正に引き出した後、発覚を恐れて戻した可能性が指摘されている。

 生活援護課の担当者は「医療扶助費を不正に引き出す手口は想定していなかった」とリスク管理表から漏れていた理由を釈明。再発防止対策を担当する和田章義・行政総務課長も「結局、いくらリスク管理表でチェック項目を増やす対策を立てても抜け道はある…」と、お手上げの様子だ。

 形をいくら整えても、職員が覚悟を決めなければ、藤沢市を覆う「不祥事の土壌」は改善されない。誰よりも、市民が厳しい目を注いでいる。

 

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