• 「総務部」と「全社員」のためのコンプライアンス教室(第16回)
    〜今回のキーワード「違反事例から知る「事件の言葉(1)」〜

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「総務部」と「全社員」のためのコンプライアンス教室(第16回)
〜今回のキーワード「違反事例から知る「事件の言葉(1)」〜

2014年02月18日

読者の皆さん、こんにちは。
今回は、過去のコンプライアンス違反事例から「事件に纏わる言葉」を知り、そこからコンプライアンスを学んでみたいと思います。


【事例】
「虚偽の報告書を自ら作成 東大教授詐欺」
東京大教授の研究費詐欺事件で、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された東大政策ビジョン研究センター教授、秋山昌範容疑者(55)が、大学側に提出した虚偽の事業報告書などを自ら作成していたことが26日、関係者の話で分かった。

東京地検特捜部は、研究費をだまし取ろうとした秋山教授の犯意を裏付ける経緯として重視しているもようだ。
(中略)
秋山教授は実際には同社などに委託していない業務内容を記載した架空の研究調査の報告書や虚偽のデータベースを自ら作成したうえで大学側に提出。約1890万円を同社など6社の預金口座に振り込ませていたという。

大学関係者は「架空請求の有無を確認する立場の研究者自身が不正に関与した場合、大学側が見抜くことは難しい」と指摘している。
(引用:2013年7月26日、日本経済新聞夕刊)


◆事例から知る・・コンプライアンス違反「事件の言葉」◆
「架空請求の有無を確認する立場の研究者自身が不正に関与した場合、大学側が見抜くことは難しい」

【解説】
「違法行為やその前兆となる行動を監視する」というのは、不正を未然に防ぐために多くの企業でとられている方法です。監視という、誰もが思いつきやすくかつ(担当者や担当組織を作ればよいという意味で)実行しやすいこの方法の盲点は、

(1)社員一人一人の行動の全てを一日中見張っておくことは現実的には困難
(2)監視する人や組織を誰が監視するのか

の2つに集約されます。

※2番目の問題に関し、「監視する組織(例:監査部門)や監視する担当者(例:管理職)をさらに誰かが監視する」ということは可能ですが、それをやっても結局のところ「それを監視する人」を誰が監視し、さらにそれを誰が監視するのか...という循環論法に陥ってしまいます。

【事例から学ぶ】
この事例は「人が人を監視し、取り締まる」ことの限界を私たちに教えてくれています。監視する側も所詮は人間。欲もあれば魔がさすことだってあります。「見張ることで違反を暴き出す」のは手段の一つではありますが、それで安心してはいけません。

この「看守を監視するのは誰か」という問題、本当にやっかいですね。
皆さんはどう考えますか?

「総務部」と「全社員」のためのコンプライアンス教室 第16回。今回はこの辺で。

中沢 努