不二家事件は不祥事か?

不二家へのバッシングは行き過ぎだ。

そういう意見がある。

従来の経営常識からすれば、そうかもしれない。

                

法令違反もなく、食中毒等の被害もないという。

このようなことを、従来は不祥事とは呼ばない。

不祥事とは、会社、経営者が責任を負う場合だから。

とくに、法律的責任が生じる場合が想定されていた。

                    

そのため、不祥事防止の合言葉が法令遵守である。

つまり、コンプライアンス=法令遵守だった。

そのため、企業では、法令を守っていればよい。

そういう意識が常識となりがちだ。

                

この常識からすれば、今回の不二家に不祥事はない。

ところが、マスコミの非難報道の結果がトップの辞任。

それにとどまらず、他の企業の力を借りる羽目になった。

そのため、従来の常識からは、行き過ぎとの批判となる。

                     

コンプライアンス=法令遵守という考えに疑問がある。

従来の法令遵守発想は、会社の内向き発想となる。

法的責任の有無が中核の発想だからである。

その点について、CSRの観点からは疑問が生じる。

                 

内向き発想であると、社会的責任を忘れがちになる。

会社の存続・発展の基礎は、社会の支持にある。

それを法令遵守は忘れがちになる欠点がある。

                     

不二家の問題は、社会の支持を忘れている点にある。

その点を検証しよう。

消費期限を徒過した食品を社会がどう見ているか。

                                          

ある調査では、消費期限を見る消費者が7割いる。                     

消費期限後の食品を食べない者は、約2割いる。

消費期限は社会的に無視できない要素である。

                  

消費期限を守るのが会社が支持を受ける基盤となる。

消費者は、消費期限を守っていると信頼している。

消費期限後の原料を使うことは、社会への裏切り。

そう捉えられても仕方がない。

                    

社会の支持を得るには、社会の信頼を守ることだ。

その信頼を裏切る会社は、社会には不要である。

そうならないためには、法令遵守では十分でない。

法令「等」として社会常識の遵守も必要である。

                  

社会的責任を自覚するためのCSRが重視される。

ここでは、不祥事の定義が拡大する。

コンプライアンス=法令等遵守となるのである。

                      

不二家は、法令「等」の「等」に違反したのである。

これはコンプライアンス違反であり、不祥事である。

その意味では、マスコミに批判されるのはやむをえない。