大手上場企業の子会社での会計不祥事が次々と表面化しています。
食品卸大手の三菱食品は21日、子会社の「ファインライフ」の元執行役員の男性が、約11年間で約10億円を着服していたと発表した。


(中略)

三菱食品によると、男性は2004年6月から15年3月までの間、取引先の請求書を偽造するなどして着服。具体的な手口や着服した金をどう使っていたかについては、「捜査に影響が出るので詳細は差し控えたい」(広報)と明らかにしていない。一方で、「ファインライフは会社の規模が小さく、執行役員という立場上、自由に着服できてしまった」と説明している。

16年11月に、国税局の税務調査で発覚。社内調査に対し、男性が着服を認めたため12月に解任した。

三菱食品は三菱商事の子会社ですので、三菱商事から見て孫会社ということになります。
最近大手企業の子会社での会計不祥事があとを絶ちませんが、大企業ならではのひとつ理由が思い浮かびます。それは「大企業と社会・個人が捉える相対的な規模感の違い」です。
例えば今回の事件では10年に渡り総額10億円を横領していたとのことですが、1年間ではおよそ1億円程度となりますので、親会社(三菱食品)の連結売上高が2兆円もある中では、(親会社の統制による)財務諸表ベースでの発見は、小さすぎて困難だったと思われます。
一方で一般的に10億円とは大変大きなお金です。このギャップがあるため、大企業では子会社に対する監視の目が向かない一方、社会的には大々的に報道されてしまう、ということになるのではないでしょうか。
では監査役はどうしたら良いのでしょう。大企業では、前述の通り発見に重きを置くのは困難ですし合理的ではありません。このような場合は、各子会社の内部統制を重点的に監査することが最も効果的であると思います。
また連結ベースでは大した規模ではなくとも、社会的に見て相対的に一定規模以上の子会社であれば、会計監査人を任意で選任する他、単独で常勤監査役を置いたり、内部監査部門を強化するなど、各子会社でのモニタリングを強化することも効果的であると思います。
監査コストは当然掛かってしまいますが、万が一このような不祥事が発生した場合の評判を落とすコストと比較すると、モニタリングにある程度のコストをかけることも、有用な選択であると思っています。

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