相次ぐJリーグでの不祥事は「偶然」なのか? 啓発キャンペーンでは対応できない時代に求められるもの

 GWの余韻がすっかり醒めた5月10日の夕方、Jリーグの広報スタッフからメールが届いた。翌日11日、緊急でメディアブリーフィングを行うという。内容は「ガンバ大阪サポーター事案(4月16日発生)他」。村井満Jリーグチェアマンは出張先よりネット中継で記者の質問に答えるのだそうだ。リリースの文末には「直前のお知らせとなりまして申し訳ございませんがご出席いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」と丁寧な一文で結んであった。

「ガンバ大阪サポーター事案」とは、ナチスの「SS旗」が大阪ダービーで掲げられた事件のことである。早いもので、あれからまもなく1カ月が経とうとしている。結果として(1)けん責、(2)制裁金200万円ということになったが、3年前の「JAPANESE ONLY」事件と比べると、あまりにもJリーグの対応が遅きに逸したと言わざるを得ない。しかし一方で、この件に関してJリーグのみをめることに、いささかの躊躇があるのも事実である。

 まず「SS旗」のデザインが意味するところが、一般的な日本人には広く知られておらず、村井チェアマン自身も「初動のところでのセンシビリティ(感受性)に問題があった」と反省の弁を述べている。それとは別にJリーグに同情したくなるのが、このところピッチの内外であまりにもトラブルが頻発していたことだ。

 4月29日、J2ジェフユナイテッド千葉と徳島ヴォルティスとの試合での「ボールパーソン事件」。5月4日のJ1浦和レッズと鹿島アントラーズでの選手間での暴言事件(これについてはJリーグの規律委員会の個別聴取の結果を受けて、暴言を吐いた浦和の森脇良太に2試合の出場停止処分が下された)。また(こちらはJリーグの公式戦ではないが)4月25日の水原でのACLで旭日旗が掲げられたことで、川崎フロンターレのサポーターがトラブルに巻き込まれた問題は、政治問題に棚上げされそうな気配を見せており、今も予断を許さない状況が続いている。

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