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 <富山 現職警官の夫婦殺害事件>

  富山県警の現職警察官、加野猛容疑者(54)が逮捕された事件。10年4月に富山市の会社役員、福田三郎さん(当時79)夫妻を絞殺し、自宅に放火した疑いだ。取り調べでは「30年以上前からの積み重ね」と怨恨をにおわせている。凶器のヒモと灯油を持参したため、計画的犯行の疑いが濃厚だ。

 「加野は消費者金融に約200万円の借金をしており、福田さんは貸金業を営んでいた。両者の間に金銭トラブルが持ち上がり、その揚げ句の犯行ではないかともみられています」(捜査事情通)

  同県警の新美恭生本部長は22日の会見で「警察官が複数の人を殺害した事件は知る限りない」と発言したが、1人殺そうと2人殺そうと関係ない。殺人を犯した警察官を2年以上も放置していたのは大失態だ。

  しかも事件直後、県警は福田さんと面識があった加野を事情聴取しながら、当日のアリバイを確認しなかった。身内をかばって見逃したと思われても仕方ないだろう。

  それにしても警察の不祥事が多すぎる。わいせつ行為や捜査情報漏洩、誤認逮捕など、全国で警察官がやりたい放題だ。加野も知人に捜査情報を漏らした疑いで今年10月に逮捕されていた。まさに「警察官を見たら犯罪者と思え」である。なぜなのか。

「警察庁の締め付けが厳し過ぎるからです」とは警察の内部事情に詳しいジャーナリストだ。

 「2000年に新潟で監禁事件の被害女性が保護されたのに県警幹部が雪見酒を飲んでいたことが問題になり、警察庁は『警察改革』を実施しました。これ自体は良いことですが、その影響で市民から批判されないよう、ささいな相談でも現場の警察官が受理して署長に書類を上げなければならなくなった。急に忙しくなったのです。もともと“酒を飲んでも2次会に行くな”“旅行の際は宿泊先を届け出ろ”とがんじがらめ。そこに忙しさが加わってストレスは限界寸前。加野のように借金問題や恨みを抱えていると、善悪の判断すらできなくなってしまうのです。そうした現場の悲鳴は警察庁の幹部の耳に届きません」

  綱紀引き締めを強化するほど警官がハメをはずすとはまさに悪循環。これでは不祥事が減りそうもない。

(日刊ゲンダイ2012年12月25日掲載)