「ハイエナ」たちがぞろぞろ

実際、この商流にいる“ピラニア”たちの顔ぶれには驚くばかりだ。事件化したハコ企業の丸石自転車(04年に東証2部上場廃止)、大盛工業(東証2部)などの増資に絡んだ「資本のハイエナ」と呼ばれる人物、過去に未公開株事件や詐欺事件などで逮捕された人物、捜査当局に企業舎弟として認定されている人物などが登場する。

ただ、“傷”のある彼らは、役員として表に名を出すことはなく、部長、担当、顧問などの肩書を持つに過ぎない。そして、商流を複雑にするために、多くの「受け皿会社」を設立、代表には上場企業の役員経験者などを連れてきた。

そんなダミーに仕立てられた元社長が、今も怒りをあらわにする。

「とんでもない連中でした。東京・御徒町の著名スーパー、お台場の著名劇場などでLED照明を受注したといっては、1億数千万円、2億数千万円と、とんでもない金額を電通ワークスに発注する。電通ワークスから半額の払い込みがあると、代理店間を転がして使い込む。そこに捺してある代表印は私のもの。『ふざけるな!』と、怒鳴りつけて契約書を回収、辞任しました」

その会社は、社名と住所を転々と変え、代表を逮捕歴のある人物の妻に代え、今は休眠状態である。

「ウェルバーグ社向けLED照明 納品」と書かれた電通ワークスのやけに簡単な発注書が、WWEに向けて出されたのは10年9月22日。作業期間は11年6月30日までで、備考欄に「ツルハ、マツモトキヨシ、オートバックス」とある。

金額は113億7363万5750円!

業界が目を剥く巨額発注が生んだトラブルは、前々号に記したので繰り返さないが、背景は以上の通りである。

では、電通ワークスは事件にどこまで関与していたのか。Oグループ長は循環取引や水増し発注を承知していたのか。

電通と電通ワークスは本誌に対し連名で回答を寄せた。

「社員が不正な取引に関与していたという認識はありません。当社は本件の被害者と認識しております」

そして本誌が具体的な細部について問い質すと、前述のように「警察への相談」を理由に答えようとしなかった。だが、1年以上に及ぶ詐欺的取引と決算の粉飾行為が、内部の“協力”なしに行われたとはとても思えない。

ともあれ、高い授業料を払った電通は、3月30日をもってエフティコミュニケーションズにLED事業を譲渡して撤退、後は司直の手に委ねるという。

電通は手を汚さなかったのかどうか、「闇」の完全な解明を期待したい。