相次ぐ食品回収 “異物混入”は防げるか

リポート:野口恭平記者(経済部)

静岡市にある従業員およそ50人の食品メーカーです。
スーパーや学校給食向けの納豆を生産しています。
相次ぐ異物混入の問題を受けて、これまで以上に衛生管理に気を使っています。

特に注意しているのが、虫対策。
虫取り機は最近2台増やし、あわせて10台設置。




虫やネズミの侵入を防ぐため、月に1度専門業者に点検してもらい、壁にできた隙間などを埋めています。





各工程では、異物がないか、必ず2人以上でチェック。





最後に、探知機で金属片がないことを確認します。
中小メーカーにとって、こうした衛生管理にかかる費用は大きな負担です。



 

冨良食品 木下真一郎さん
「異物混入を出すより、設備投資して安心安全な商品を提供したい。
今以上に安全衛生管理をしっかりしていきたい。」


 

一方、他のメーカーからは「異物混入を完全に防ぐのは難しい」という指摘も出ています。
この秋、商品の自主回収を発表したある食品メーカーの社長が電話取材に応じました。

電話:自主回収した食品メーカー社長
“虫の一部が入っていると報告が入った。”



 

専門業者に依頼し、虫対策に力を入れていたにも関わらず、商品から虫の一部が見つかったのです。

電話:自主回収した食品メーカー社長
“一つ問題が起きたら利益も全部なくなる。
防虫・防鼠(そ)対策にお金をかけたり、ハード面にお金をかけてずっとやってきた。
100%(混入防止)できたらいいが、なかなか難しい部分がある。”

こちらは、最近5年間の食品回収の件数です。
「異物の混入」が原因の回収は以前からありましたが、2014年に、その前の年の2倍になり、今も高止まりしています。
危機管理の専門家は、2014年に起きたある問題が、回収が増えるきっかけになったと指摘します。

人気のカップ焼きそばに「虫が入っていた」と、消費者が写真付きでネットに投稿。
メーカーは商品の回収、さらに一時生産中止に追い込まれたのです。

ACEコンサルティング 白井邦芳さん
「これまで虫はリコール(回収)の対象にならなかった。
ソーシャルメディアが発達したことによって/あっという間に数万単位で投稿が見られるようになった。
会社としてはすぐに対応しないと、会社そのものが、ひとつの商品によって全体にまで影響を受ける。」