2014.12.15 20:00

【衝撃事件の核心】女性消防士にプロレス技、期限切れ卵を口に… 消防署で相次ぐパワハラの実態

■消防署でのパワハラは全国で…人命守る存在なのに

 全国の消防では今年に入り、同様のパワハラ事案が相次いでいる。

 長崎県佐世保市の中央消防署では2月、20代の男性消防士が約1年にわたり、上司から訓練中に殴られるなどのパワハラを受けた後、自殺していたことが分かり、市消防局は上司の50代の男性消防士長を停職1カ月の懲戒処分とした。

 同月には、石川県羽昨市の羽昨消防署の男性消防士(23)が後輩に体当たりや平手打ちなどを繰り返していたとして、戒告の懲戒処分に。福岡県飯塚市の飯塚地区消防本部は3月、職場で同僚に暴言を繰り返した40代の男性消防司令を停職1カ月とした。

 6月には、徳島県鳴門市消防本部が、部下を平手打ちするなどのパワハラを繰り返したとして、ともに鳴門市消防署の30代の男性消防士長2人を1カ月と3カ月の停職、監督責任者4人を戒告とするなど計12人を処分。消防士長2人は23年から25年、同じ班の部下8人に対し、勤務中に通信指令室で歌を歌わせようとしたり、深夜勤務時に仮眠室で頭をたたいたり、頬を平手打ちするなど断続的にパワハラをしたという。

 和歌山県で7月に起きたケースは、刑事事件に発展した。同県消防学校の学生寮で、初任科生の男性消防士(18)の右肩に熱したアイロンを押し当て、やけどを負わせたとして、傷害容疑で橋本市消防本部の消防士の男(21)が逮捕された。男は5月ごろから7月にかけて、男性消防士の体を殴ったり、太ももを蹴ったりするいじめ行為を繰り返していた。

 男は懲戒免職処分となったが、男のいじめ行為をあおったとして、県消防学校は入校中の橋本市消防本部の男性消防士(20)を謹慎3日の懲戒処分としたほか、18~22歳の男性消防士7人についても、いじめ行為や暴力行為を止めず、教職員に報告しなかったとして厳重注意処分とした。

 刑事事件となった和歌山を除き、いずれのケースも「厳しい指導」がエスカレートしてパワハラに発展したとみられる。人の命を救う厳しい現場だからこそ、上下関係や指導の厳しさは必要不可欠だが、消防士を自殺や退職に追い詰めるようなパワハラが相次ぐ現状を、消防当局は重く受け止める必要がある。

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