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【虚偽診断事件】
武田病院医師を起訴 職員らは処分保留 京都地検…組幹部収監逃れに診断書悪用、問われる医師の倫理観

虚偽診断書作成事件の構図

 暴力団幹部の収監を免れさせるために検察に病状の虚偽報告をしたとして京都府警に虚偽診断書作成・同行使容疑で逮捕された民間大手「康生会武田病院」(京都市)の医師、全栄和容疑者(62)について、京都地検は18日、同罪で起訴した。

 また、同様に逮捕された同病院元医事部長(45)と指定暴力団会津小鉄会系組員(48)=建設業法違反容疑で府警が再逮捕=の2人は同日、処分保留で釈放。地検は全被告の起訴内容に対する認否や、2人を処分保留とした理由を明らかにしていない。

 起訴状によると、全被告は同病院不整脈治療センター所長として指定暴力団山口組系淡海一家総長、高山義友希受刑者(60)の診療を担当。平成28年1~2月、当時、高山受刑者が重篤な心室性不整脈ではないのに、「心室性不整脈はかなり重篤」「今後、症状が重篤化することが容易に予測できる」などとする虚偽の回答書を作成し、大阪高検に提出したとしている。

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収監逃れに診断書悪用

 暴力団幹部の病状をめぐり、民間大手「康生会武田病院」(京都市)の医師で韓国籍の全(チョン)栄(ヨン)和(ファ)容疑者(62)が虚偽診断書作成・同行使罪で起訴された。検察に対する回答書の偽造は幹部の収監逃れが狙いとされ、刑事司法制度を揺るがせかねない事件となった。医師の倫理観自体も疑われることとなり、収監をめぐる手続きの在り方も議論が求められている。

 指定暴力団山口組系淡海(おうみ)一家総長、高山義(よし)友(ゆ)希(き)受刑者(60)について、大阪高検は昨年2月、医療機関の回答書などをもとに刑の執行を停止した。

 だが、高検は執行停止期間中も、腎臓移植を行った京都府立医大(京都市)と不整脈の治療にあたっていた武田病院から検査データを含む回答書を取り寄せ、複数の専門医に照会し、収監の時期を検討していた。

 そして今年2月に入り「収監は可能」と判断。受け入れる刑事施設を監督する矯正管区と協議を重ね、全国8カ所の医療重点刑務所のうちの一つ、大阪刑務所への収監が決まった。