神奈川県警元本部長有罪判決について(談話)

2000年5月29日
民主党ネクストキャビネット
司法担当大臣 江田 五月

  1. 本日、横浜地方裁判所は、警察官の覚醒剤事件もみ消しに関与した渡辺泉郎・神奈川県警元本部長に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。同事件は本部長や監察官室まで関与した組織犯罪であり、岩垂裁判長が「警察の捜査の適正、公正さについての国民の信頼を大きく損なわせ、法治国の基盤を危うくするものであり、罪責は重大で万死に値する」と厳しく指弾したことは、当然である。判決以上の厳罰を求める声があることを、警察は深刻に受けとめるべきである。

  2. 神奈川県警の事件は、一連の警察不祥事発覚の端緒となり、国民の信頼失墜の原点となった事件である。しかし、政府は、今に至るも抜本的改革の方途を打ち出していない。田中警察庁長官は今回の判決を受けて「二度とこのような事態を起こさないという強い決意を持って不祥事防止に取り組み――」と述べているが、国民の耳には空疎な言葉として響いていることを知るべきである。

  3. 神奈川県警不祥事の後、特別監察に関連した新潟県警不祥事の他、犯罪捜査にあたる現場では、桶川ストーカー殺人事件、栃木少年リンチ殺害事件など被害者を見殺しにした事件が相次いでいる。問題が発覚すると警察の不適切な対応をごまかし、ウソの報告書を作成するなど、神奈川県警不祥事で問われた隠蔽体質が変わらない事を露呈させている。覚醒剤もみ消し事件は、根本的な検証は行われていないという指摘もあり、今回の判決で事件が終わったわけではない。自ら組織を切開し、膿を出しきらなければ、警察の再生はありえない。

  4. 民主党は、公安委員会制度・監察制度の改革を盛り込んだ警察法改正案を国会に提出しているが、政府・与党の対応が遅れ、審議に入れないのは誠に遺憾である。組織防衛を優先した警察の隠蔽体質は、首相臨時代理の就任から森総理選出に至る一連の密室の過程にも通じるものであり、わが国の諸制度の在り方が根本的に問われている。もはや、自公政権では警察改革は実現できないことが明白になった。民主党は総選挙において、警察改革とともに、政治、行政の抜本的改革を争点に掲げて闘う決意である。