教員の相次ぐ不祥事 クローズアップされる教員免許の本当の意味とは?

教員免許状を持っていない人が学校で教えていたことをめぐって、刑事事件に発展したことが相次いでニュースになった。担当する授業に対応した免許を持っていなかったり、免許失効後も教壇に立ったりしていたケースがしばしば見受けられる。教員免許の本当の意味とは何か、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に伺った。

 


 

8月1日に逮捕された群馬県の公立小学校臨時教諭の男性のケースでは、他県での道路交通法違反罪、児童買春・児童ポルノ禁止法違反罪などで教員免許が失効していたにもかかわらず、再三にわたって、再交付、再就職が認められていたのでした。しかし、常習であるとして埼玉県秩父署が異例の逮捕に踏み切ったものです。

 

長野県の私立小中一貫校では、2005(平成17)年度の開校以来、中学校の免許しか持たない教員が小学校のクラスを担当したり、小学校の免許しか持たない教員が中学校を担当したりしていたほか、免許を持たない外国人が単独で教えていたなど無免許授業が常態化していたことがわかり、8月21日に長野県警が家宅捜索するまでに発展しました。

 

他にも私立高校に派遣された講師の無免許が発覚して卒業間近の3年生が補習授業に追われたり、6月には三重県立の複数の高校で2011(平成23)年度以来の無免許授業が発覚したりするなど、枚挙にいとまがありません。

 

学校の先生の仕事は教科の授業を教科書通りに教えるだけでなく、クラスの経営や児童・生徒の指導など、多岐にわたっています。子どもの発達に対する知識も不可欠です。それらをひっくるめて交付されるのが、教員免許状なのです。実際、教職課程では教科の知識だけでなく生徒指導や教育相談、道徳指導などの単位取得が必修化されています。更新制が導入されたのも、そんな免許に対する信頼を維持するためです。公立学校の教員は法律で「絶えず研究と修養に努めなければならない」(教育公務員特例法)とされるなど、教職は常に職能を向上させる専門職でなければならないとされています。免許は「学び続ける先生」のための最低条件なのです。