会社のお金を自分の賭け事に使ったり、巨額の損失を隠し続けたり。考えられないような不正が表面化しているわ。どうしてこんなことが起こるの?

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 オリンパス、大王製紙と次々に不正が明らかになった日本企業。問題行為はもとより、チェック機能が働かなかったことにも国内外から厳しい視線が注がれている。なぜ不祥事は絶えないのか、企業統治(コーポレートガバナンス)を徹底させる方法はあるのか。川上恵理子さん(23)と斎藤恵さん(29)が証券部の梶原誠編集委員に聞いた。

 ▼あぜんとする事件を著名な上場企業が引き起こしました。

 「企業統治の徹底は自分たちを守るためのもの、という意識が希薄だったのでしょう。経営の暴走を許せば企業の信頼は失われ、ブランド価値が落ちます。株価も大きく下がり、投資家の批判にもさらされます」

 「どんな企業にも不祥事の芽が無いとは言い切れません。大切なのは、暴走が起きそうになったら素早くその芽を摘む仕組みを整え、機能させることです。創業者やカリスマ経営者だったから防げなかったという言い訳は通用しません」

 ▼取締役や監査役は経営者をいさめる責任がありますよね。

 「社員出身の役員は今の地位まで引き上げてもらった恩がありますので、言い出しにくい面があるのでしょう。合併などで取締役の数が多くなった企業では、会議で議論することさえ難しくなってしまいます」

 「だからこそ、社外から選ばれた取締役や監査役は、監視役として期待されています。ところが盲点もあるのです。経営トップが友人や会社の取引先の人を連れてきたら、厳しい意見を突きつけるとは思えませんね。事業の情報も少ないので、モノを言いにくい面もあります」

 「米国のエネルギー会社、エンロンは不正会計事件で2001年に破綻し、米経済を揺るがせました。実はエンロンの取締役の多くは社外取締役でした。会計の専門家も著名経営者もいて、企業統治の模範ともされていた会社なのです。形だけそろえたところで万全ではないことがよくわかります」