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【衝撃事件の核心】
〝花形〟慶応大准教授の裏の顔 前職でもらったワイロ「54万円」の半端…「錬金術」の本を書きながら「ケチくさい真似」と周囲の評

森川富昭被告が情報センター部長として勤務していた徳島大病院=徳島市蔵本町

 「俺たち教職員は、おごるか割り勘の2種類しかない」。部下にこんな公務員倫理を豪語していた元国立大病院の幹部が、実は汚職にまみれていた。徳島大病院の医療情報システムの契約に絡み、業者から現金約300万円を受け取ったとして、収賄罪で大阪地検特捜部に起訴された元徳島大病院情報センター部長、森川富昭被告(45)=現・慶応大准教授、休職中。情報処理学の専門家として国のIT戦略にも関わるなど、表舞台での華々しい活躍が注目されてきた。一方で、インターネットメディアのインタビューや自著で金銭への執着をにじませ、今回の事件で業者との癒着という「裏の顔」が発覚。築き上げた地位はあっけなく崩れ去った。

権限握り狂った歯車

 徳島県で生まれ育った森川被告は、平成6(1994)年3月に地元の徳島大大学院で工学修士を取得後、民間企業に就職。情報システム分野を担当した後に徳島大に戻り、研究者の道を歩み始めた。専門知識を生かして電子カルテ導入を進めるなどして徐々に頭角を現わすと、21(2009)年3月に徳島大病院の初代情報センター部長という要職に就いた。

 新たに手に入れた権限は絶大だった。徳島大では、業者との500万円未満の契約について「入札でなく随意契約で相手を決めることができる」と規定しており、森川被告は徳島大病院の医療情報システム関連の随意契約で、契約先や金額を決める中心的な役割を担った。

 自らの権限の大きさに陶酔していたのか。当時の部下に倫理の道を説くこともあった。教職員の心構えとして「おごるか割り勘の2種類しかない。そうしないと痛くない腹を探られてしまう」と豪語した。

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