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【衝撃事件の核心】
「規範順守の鈍磨」と容赦ない指弾 東洋ゴム免震不正で外部調査 記者会見でも「不誠実」な対応

衆院国土交通委員会で謝罪する東洋ゴム工業の山本卓司社長=5月8日

 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が製造、出荷した免震装置ゴムの性能が偽装されていた問題は、発覚から2カ月が経過した。性能不足の免震装置ゴムが使用されていた30都府県の計154棟のうち、国土交通省と東洋ゴムの耐震性調査を終えた大半の建物は、震度6強~7程度の地震でも倒壊する恐れはないと確認されている。ただ、第三者として調査を担当した弁護士による外部調査チームの中間報告は、同社の企業風土とリスク管理体制を指弾した。確かに同社の記者会見などの対応に「不誠実」と感じたのも事実だ。問題発覚当初の報道対応から振り返ってみたい。(南昇平)

「重圧から改竄」

 3月13日午後4時半、大阪市北区のホテル。東洋ゴムは緊急の記者会見を開いた。子会社の東洋ゴム化工品の明石工場(兵庫県稲美町)が製造、出荷した免震装置ゴムの一部が、建物の揺れを抑える国の性能評価基準を満たしておらず、不正な申請書を提出して国の認定を受けていたことが判明したためだ。

 国土交通省は同日、不正があった東洋ゴムの製品の認定を取り消した。

 会見の出席者は山本卓司社長と担当取締役ら。山本社長は冒頭、「ユーザーの皆さまに不快な思いをさせていることをわが身に置き換え、全力で対応に取り組む。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

 免震装置ゴムは高層建築物などの基礎部分に使われ、水平方向に伸縮することで地震の揺れを吸収し、建物本体に揺れが伝わりにくくする。設置するには、建築基準法に基づく国土交通大臣認定が必要だ。東洋ゴムはこの認定を取得したが、子会社の明石工場に勤務していた製品開発担当の課長代理が基準に適合するように検査データを改竄し、認定を受けていた。

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