Richard Beales

[ニューヨーク 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 東芝(6502.T)は11日の決算発表で、債務超過に陥り、事業継続に疑義があることを明らかにした。同社の問題は日本企業の悪習が招いた結果と言える。

悪習の1つは、四方八方に手を広げ過ぎることだ。最近の東芝は原子力から半導体、家電に至るまで、ほぼすべてのことに手を出している。やっていないのは黒字化ぐらいだ。その一方で、本当に競争力を持つ分野に集中することはできていない。このような状態だと亀裂が生じやすくなる。

今回大きな重圧をもたらしたのは約10年前に買収した米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の財務問題。遅きに失した巨額の減損処理が東芝を債務超過へと陥れた。

この混乱は、海外買収に高額を支払い過ぎるという悪習を映し出している。徹底的なデューディリジェンス(資産査定)を行っていれば、米原子力エネルギー市場における数百億ドル規模のプロジェクトの遅れとコスト超過に伴うリスクは確実に露呈していたはずだ。

おそまつなコーポレートガバナンス(企業統治)の実態も浮かび上がる。東芝は2015年の不祥事を受けて改革を約束し、経営陣を刷新するなどしていた。しかし同社は、仮に今回の危機を乗り越えられたとしても看板の半導体事業に加え、他の小規模な部門を手放す必要に迫られる可能性がある。一層のスリム化やガバナンス改革も課題になるだろう。

他の日本企業は難局を乗り越えて再生した。日立製作所(6501.T)は非中核事業を売却し、ソニー(6758.T)も中核事業に焦点を絞った。オリンパス(7733.T)などの芳しくない事例もあるが、全体的な流れはガバナンスの強化へと向かっている。

東芝には目下、1兆円近い時価総額を守るという喫緊の課題がある。しかし長期的に生き残るには、何より古い習性を断ち切ることが必要だ。