大王製紙、オリンパスと上場企業の不祥事が相次いで問題となりました。今回と次回で、この2社の財務諸表を読み解きながら、企業に今後与える影響、決算とその監査について私の考えをお話ししていきたいと思います。

 両社はまだ中間決算を発表していませんし、内部調査や検察などの捜査が進んでいる段階です。それでも、財務諸表を分析することで企業が考えていたことがうかがえる節があるのです。

大王製紙とオリンパス、共通点と相違点は

 皆さんもご存じのように同時期に不祥事が明るみに出た大王製紙とオリンパスの事件ですが、当然のことながら、共通している点と相違している点があります。

 共通する点としては、両社ともオーナーや経営陣が社内の論理を優先し、いわゆるコーポレート・ガバナンス(企業統治)が全く機能していなかったということです。

 根本的に違う点としては、大王製紙の問題は基本的に個人の犯罪だということです。すでに井川意高前会長は会社法の特別背任容疑で逮捕されました。前会長が会社のお金を私的流用し、その額が判明しているだけで約110億円にも上るとのこと。具体的な額は、今後、内部調査をしていくことで明らかになっていくと思います。なお、それに関連して粉飾があったかどうかは、今のところ分かっていません。(開示の問題については、後でコメントします。)

 一方、オリンパスでは、明らかに財務諸表の開示において粉飾決算がなされているということです。つまり、内部統制が効いていなかった点については両社は共通しているのですが、起こったこと自体は違うということです。

 これらの要点をふまえた上で、それぞれの財務諸表を見ていきましょう。

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