米原発事故めぐり巨額賠償免れた三菱重工 負の連鎖断ち切れるか (1/3ページ)


三菱重工業が蒸気発生器を納めたサンオノフレ原子力発電所=米カリフォルニア州(AP)【拡大】

 大型客船の建造遅れ、旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の納入遅延と、暗い話題が続いていた三菱重工業が、一転して「サプライズ」に沸いている。米国で起きた原子力発電所の事故をめぐり巨額の賠償を求められていた件について、同社の主張をほぼ認める裁決が下されたからだ。数千億円の支払いを免れたのを機に反転攻勢へと転じ、負の連鎖を断ち切れるか-。

 ありがたい裁決

 「まだ内容を精査してみないとはっきりしたことはいえない。ただ、ありがたい裁決なのは確か」

 米原発事故をめぐる裁決が出された3月14日、三菱重工関係者は慎重な言い回しながら裁決結果を歓迎した。

 問題となった事故は、2012年1月に米カリフォルニア州のサンオノフレ原発で起きた。三菱重工は、原子炉から取り出した熱で蒸気を作る「蒸気発生器」を納めたが、配管が破損して放射性物質を含む水が漏れ出したため稼働を停止。住民の反対もあり、2、3号機の廃炉に追い込まれた。

 このため、運営する電力会社の南カリフォルニアエジソン(SCE)は、三菱重工に重大な契約違反があったとして当初の段階で75億7000万ドル(約8300億円)の賠償を請求。三菱重工が「契約上の責任上限は1億3700万ドルと定められている」と拒否すると、パリの国際商業会議所(ICC)に仲裁を申し立てた。

 ICCが認定した賠償額は141億円。1000億~4000億円の支払いが避けられないとみられていたことからすると、わずかといっていい。経営陣がほっと胸をなで下ろしていることは想像に難くない。