損害賠償

バカッターで損害賠償!1つの投稿から生まれる悲劇

バカッターという言葉は騒動をワイドショーなどマスコミが取り上げるようになり、認知度の高い言葉になりました。

そして中には損害賠償請求の裁判にまで発展してしまったケースも存在します。
たった一つの投稿から、人生を揺るがす騒動にまで発展してしまうネット炎上。
巨大ネット掲示板2ちゃんねるやまとめサイトなどによって、騒動はいわゆる【祭り】となって目まぐるしい速度で拡散していきます。
こうした炎上騒動はバカッター投稿をした本人もその周辺関係者にとっても何一つ良いことが無いですよね。

最近、こうしたバカッター問題に力を入れる企業が増えている為、騒動の件数は減少傾向にあります。
しかしながら、いくら自分が気を付けていても、あなたの勤め先の従業員やお子様などが騒動を起こして、関係者となってしまう可能性があります。

この実際にどのような悲劇がバカッターの関係者に降りかかってしまったのかをご紹介します。
ネットの怖さを知り、世の中からバカッターをなくすため、身近なところから一緒に取り組みをはじめていきましょう。

1.バカッター行為のツケは損害賠償だけではない

バカッターにより、店主が従業員たちに対して損害賠償を請求した有名な事例を紹介します。

1-1.バカッター達に1,385万円の損害賠償請求

2013年 都内蕎麦屋にて従業員が店の食洗機に入っている画像をはじめ、不衛生な画像をTwitterに投稿をしました。

投稿後、そのツイートは拡散され、店にはクレームの電話が殺到し、店は閉店に追い込まれました。
どれほど店主は悔しかったことでしょうか。
騒動後、店主は日経ビジネス宛に、その時の無念さをしたためた手紙を出しています。

その手紙の内容の一部を抜粋しました。

飲食の基本は早い、安い、そして美味しい、とにかくお客様に喜んで頂く事、そしてまた来店して頂き常に笑顔を絶やさず、本当によく働いたと思います。
 ところが時流の波には逆らえず、経営は厳しくなってまいりました。
 とうとう昨年の9月13日(奇しくも義父と同じ命日)に主人は負債を背負いきれず自ら命を絶ちました。葬儀には1000人近い方がみえて下さいました。
 私と娘も覚悟しておりましたので、主人は私達のために犠牲になってくれたと思っております。
 そしてあの事件から早4カ月近く経った今、彼らのやった事は一生許す事はできないし、その子(今ではもう立派な大人です)も憎いですしその親達にさえあきれるばかりです。
 決して世の中の役に立つ人間になれなどとは申しません。でも少なくとも、人には迷惑をかけるな、ありがとうとご免なさいをなぜ言えないのかと。

その後、店が従業員に起こしたアクションは?

店主を含む原告側が、この行為を行った従業員たちに対して1,385万円の損害賠償請求を起こしました。

手紙に内容によるとご主人を亡くし、女手でご主人が残した店を立て直そうと必死になっていた最中に閉店に追い込まれたのです。
店主が本当に大切にしていたモノを、ただの従業員の悪ふざけによって失ってしまったのです。
彼女の行った行動は当然の行動です。

結果どうなったのか

最終的に和解が成立しました。
和解金は主犯は約130万円。残りの3人は一人あたり20~30万円 支払うこととなりました。

この金額は安いか?高いか?あなたはどう思いますか?

また、この従業員たちはこの損害賠償金ではなく、今後の人生に影響を与える様々な大きな代償を払うことになります。

1-2.代償は損害賠償だけでなくその後の人生にも及ぶ

この蕎麦屋の事件の概要は今もネットに漂っています。
関連キーワードを検索すると、問題となったツイッターの投稿が出てきます。

従業員たちの他のツイートから当時の在籍していた学校だけでなく、氏名も漂っています。
現在もキャプチャが残っているので、モザイクなしで顔画像までもが簡単に見つけることができます。

ネット上で騒ぎになってから、自分でマズいと思って投稿を削除しても、もうその頃には投稿は拡散されています。
削除しても削除しても、画像を保存した人たちが再アップをします。これが延々と繰り返されるのです。

ネット上にはその氏名などが長い期間漂うので、本人たちの将来の就職や結婚など人生の大事なイベントに響くことが考えられます。

この都内蕎麦屋の件だけでなく、様々なバカッターたちがいわゆるネット炎上騒動になりました。
下記にほんの一例を記載しますが、この情報だけでもおそらくどの店の事件であったか検索で簡単に見つけて特定することができるでしょう。

2013年 某アイスクリーム店のアルバイト店員が商品のアイスを容器からコーンに移さずに直接食べる画像をツイッターでアップする。
本名や通学先、勤務先店舗名などが特定され、企業や学校にクレームが殺到。他の不正行為も発覚する
2013年 某ピザ店で働く従業員が顔にピザ生地を乗せた画像をツイッターでアップする
 本名や通学先、勤務先店舗名などが特定され、企業や学校にクレームが殺到。不正行為に無関係な交際相手の顔もネットに拡散されている状態

バカッターの代償は・・・

・ 勤め先など相手方からの損害賠償請求や、刑事事件として捜査の対象となる場合も
・ ネットで炎上が起こり、氏名、住所、通学先などの個人情報が特定され拡散される

このように投稿時に本人たちは軽い気持ちで悪ふざけをしただけであったとしても、結果黒歴史となり長い間苦しむこととなります。

2.バイトテロは企業の教育不足も理由の1つ

アルバイトのバカッター行為及びSNS関連の騒動で企業の信頼に関わるような問題をバイトテロとも呼びます。

企業側は一部の従業員のモラルの無い行為により、企業にダメージを与えます。
企業の信頼はもとより、業務に関してもクレーム対応に追われたり、休業せざるを得なかったり、最悪の場合閉店に追い込まれたりと支障をきたします。

しかし、企業側は完全なる被害者とは言えません。

なぜならば、バイトテロは従業員の管理や教育が行き届いていない上での出来事だからです。

2-1.日本マクドナルドのバカッター件数はゼロ!

外食産業最大手のマクドナルドは抱えているアルバイトの数も日本のトップクラスです。
しかし、マクドナルドからはバカッターは出ていません。

それはなぜでしょうか?

マクドナルドにはSNSサービスの利用に関するルールを配布しています。
高校生のアルバイトにも理解できるように、わかり易い内容で書かれています。

この【だれにでもわかり易い 】というところがマニュアル作りポイントです。

バカッターを防ぐためには、企業側の努力も必要なことがよくわかりますね。

マクドナルドが配布した文書

2-2.バイトテロゼロ!を目指す3つの予防策

バイトテロはどこにでも起こることではなく、企業側はしっかりと対策をしていれば防止することはできます。
では、具体的にどのような事をしていけばよいのでしょうか?
ポイントは下記の3つです。

・ 社内ルールの徹底
・ 従業員の教育
・ エゴサーチを行う

社内ルールの徹底

ネットサービスの利用規定を定めていない企業がまだたくさんあります。
ネットサービスの利用規定を明文化して、従業員に周知徹底を心掛けましょう。

・ 会社の名前や会社の制服を着たり画像など、会社を特定できるようなことをネットに投稿してはならない。
・ 顧客のことをネットに投稿しない。
・ 会社の商品情報について会社の許可なくネットに投稿しない。  など・・・

こうしたルール作りが大切です。
また、雇用時に誓約書を取り付けることも有効です。

SNS対策用誓約書の一例

SNSに関する誓約書の雛型を紹介します。
リンク先からダウンロードすることができますのでぜひ活用してみてください。

従業員の教育

バイトテロが起こってしまう要因として、モラルの低さがあげられます。
「こういうことをしたら、結果こうなってしまいますよ。」と実際の事例を挙げながら、定期的に従業員に意識付けをしていきます。
高校生のアルバイトにもわかり易く、これは良いこと、これはダメなことと、わかるように教育しましょう。

エゴサーチを行う

ネット上にて、自分自身の名前を検索し、評価等を確認することをエゴサーチと言います。
自らの企業名や従業員の名前を検索し、炎上で拡散されてしまう前にバカッターや類似する行為を見つけます。
拡散されてしまう前に投稿を削除させ、被害を最小限に留める事が出来ます。
また、バカッターであると自覚していない従業員に自覚を持たせることができます。

3.従業員がバカッター騒動を起こしてしまったら?

従業員のバカッター騒動を知ってしまったら、迅速に対応しなくてはなりません。
企業の対応次第で、マイナスイメージを払拭させるばかりではなく信頼をより大きなものにすることも可能です。

騒動が発覚した時にすぐに行わなくてはならないことは2つです。

・ 該当者と特定し、該当者及び周辺関係者に事実関係を聴取する
・ HPなどで世間を騒がせたことに対する社告を出す

該当者と特定し、該当者及び周辺関係者に事実関係を聴取する

事実関係を確認することが最優先です。
結果を踏まえた上、投稿を削除させることや必要ならば二次被害を防ぐために清掃や消毒作業、廃棄などの適切な措置を素早く行わなくてはなりません。

HPなどで世間を騒がせてしまったことに対する社告をだす

バカッターによって従業員の管理が不十分として企業イメージが落ちてしまいます。
対応が後手後手になった場合、更にイメージはマイナスの方向に働いてしまいます。
早急に対応しているというで、こうしたアピールは企業イメージの低下の速度を緩めることができます。

3-1.バカッターを起こした従業員を解雇することは可能か?

労働契約法第16条において、

「 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする 」

しかしながら、「社会通念上相当で、客観的に合理的な理由がある」と認められるものは、事例数としてそう多くありません。
解雇者も労基署や個人ユニオンに駆け込むなどして、解雇が正当なものであるということを理解していて、不当解雇だと訴えてくる場合も想定されます。

解雇の判断が難しい場合は弁護士などの専門家に相談の上、慎重に行いましょう。

まとめ

バカッターは何も良いことがない行為です。
その場だけなく、やった本人の人生その後にも悪影響を及ぼします。
家庭や学校、職場などでしっかりとモラルやネットに関するルールを確認することが大切です。

  •  バカッターの代償は大きい。損害賠償請求は避けられない。
  •  バイトテロは企業側も責任がある。
  •  企業側はSNSサービスの利用について、しっかりルール作りをする。
  •  騒動を起こした従業員の解雇は慎重に行う。

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