2014年2月に発覚した、三菱地所レジデンス発注のマンション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」(総戸数86戸、平均販売価格1億4000万円)の工事不具合による販売中止問題では、元請け工事業者の鹿島が建物の解体・建て替え費用に加えて、販売解約手数料も負担することが決まっている。

宅地建物取引業法では、販売解約手数料は手付金(販売価格の通常1割)を含めて2倍と定められているが、三菱地所では迷惑料を含めて3倍返しと手厚く対応。それらの費用の全額負担を盛り込んだ鹿島の2014年3月期決算での建築工事売上総利益はその前の期の460億円から22億円に激減。この時のマンション工事では、三菱地所の子会社である三菱地所設計が工事監理を行っていたが、その監理責任はほとんど言及されなかった。

発注者の責任はどうあるべきか

今回の「パークシティLaLa横浜」の事件では、三井住友建設が設計・施工を担当していたが、旭化成建材に批判が集中。三井住友建設はほとんど表に出ていないし、マンションの解体・建て替え費用や入居者への補償費用の大半について、杭工事を請け負った旭化成グループが負担することも十分に予想できる。

これらの背景には、建設工事請負契約の片務性が放置されてきたことが影響しているのは間違いない。民間工事、特に転売目的で建物を造る場合の発注者責任はどうあるべきか。

建設業法の第2条では「建設業とは、元請、下請そのほかいかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」と定めているが、請負契約以外の契約方式も認めたうえで、発注者の責任分担を改めて議論すべき時期に来ている。