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【学校給食の挑戦(3)】
若年層流出を食い止めた「給食費タダ」施策…年間1億円超かかっても市は「固定費だと思ってる」

 「カレーライス」「おかひじきのしらすあえ」「フルーツポンチ」「牛乳」

 6月中旬の兵庫県相生市の市立小学校の給食は、人気の高い「カレー」と「フルーツポンチ」の組み合わせ。教室には子供たちの笑い声が響いていた。

 子供たちが大好きな給食。同市では幼稚園から小中学校まで提供されているが、給食費は全て無料だ。

 給食にかかる費用は「学校給食法」によって、食材費は保護者負担、整備や運営費は自治体負担と定められている。相生市の場合、本来なら保護者負担は1カ月1人当たり、幼稚園児2千円、小学生4千円、中学生4500円。年間約1億1千万円かかるが、子育て支援策として、全て市が負担している。

 2人の小学生と未就学児2人の4人の子供を育てている母親(34)は「子供たちが中学校を卒業するまで4人分を途切れることなく払い続けることを考えたら本当に助かります」。「1カ月分の給食費はちょうどプールなどの習い事代と同じぐらい。無料化分をおけいこ代に充てています」と話す母親もいる。

子育て応援宣言

 かつて造船業で栄えた相生市。市の人口は昭和49年に4万2188人とピークを迎えたが、その後、減少を続け、平成22年には3万1171人に落ち込んだ。しかも、15歳未満が占める割合は低く、同年には人口の11・6%と県内市町の中で最低レベル。人口減少を食い止め、若年層の定住化を図らなくてはならなかった。