トップ > 

企業経営 > 

東芝、三菱自動車……企業不祥事は「個人の理性」では防げない

一人ですべてを行えば間違いは起きない?

東芝の粉飾決算やら、フォルクスワーゲンや三菱自動車のデータ改ざんやら、一年に一度か二度は、大企業の不祥事が発覚している。そんな事件を知るにつけ、デカルトの言葉が頭をよぎる。旅先であるドイツ・ウルム市郊外の炉部屋(暖炉のある暖かな部屋)にこもり、デカルトはこんな思索に耽るのだ。

<たくさんの部品を寄せ集めて作り、いろいろな親方の手を通ってきた作品は、多くの場合、一人だけで苦労して仕上げた作品ほどの完成度が見られない>(『方法序説』谷川多佳子訳、岩波文庫)

「いったい、何の話?」と思って読み進めると、同じような例が次々と出てくる。建物は、何人もの建築家が古い建物をリフォームするより、一人の建築家が新しくつくるほうが壮麗だとか、偶然にできた大都市より、一人の技師が平原に線引きした都市のほうが整然としているとか。

さらに話は法律や宗教にも及ぶが、言いたいことは変わらない。要するに、一人の賢い立法者や唯一の神が、法や掟を定めたほうが、秩序のある集団になるというのだ。

が、それだけでは満足できかった。自国の文化と、他国の文化とでは行動習慣も考え方も違う。本を読んでも、哲学者が正反対のことを言っている。ならば、真理はどこにあるのか? 違いがわかるだけでは、真理には到達できない。

あなたにおすすめの記事