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【主張】
トヨタ役員逮捕 信頼回復に総力を傾けよ

 日本を代表する大手企業に信じ難い不祥事が起きた。トヨタ自動車が今年4月に役員に起用したばかりのジュリー・ハンプ常務役員が麻薬取締法違反(輸入)の容疑で警視庁に逮捕された。

 現職役員の逮捕という前代未聞の事態だが、本人は容疑を否認しているという。トヨタがまず急ぐべきは、捜査への全面協力と、信頼の回復である。世界のリーディングカンパニーとして、その社会的責任は極めて大きい。

 同社の豊田章男社長は会見で陳謝した上で「法を犯す意図がなかったと明らかにされることを信じている」「役員も従業員も私にとって子供のようなもので、子供を守るのも、迷惑をかければ謝るのも親の責任」などと述べた。

 心情的に分からなくはないが、この発言は特に海外で、どのように受け取られたろう。重責を負う役員は、社長の子供ではない。認識が甘くはないか。

 ハンプ容疑者が国際宅配便で密輸入したとされる麻薬「オキシコドン」は通常、がん治療などに伴い痛みを緩和する目的で使用される。同容疑者の病歴や体調、供述や接見時の話についてもトヨタは捜査中を理由に公表を拒んだ。