超大物OB・清原和博の覚醒剤所持・使用容疑での逮捕に加え、野球部も今夏限りで休部。高校野球のPL学園ファンにとっては、衝撃と落胆の2月になった。

 無敵のチームとして君臨した時代が終わったと思ったら、野球部そのものが活動を休止する。まさに王者の落日だ。

 この「事件史」も同校を避けて通れない。何度も上級生による下級生への暴力事件が表面化して処分を受け、時には裁判沙汰にもなった。最大の事件は「部員死亡事件」だろう。

 桑田真澄、清原和博のKKコンビが卒業した1986(昭和61)年の夏前に起こった。2年生部員が学校内にある人工の池で溺死。事故死として処理されたが、その後、実は3年生によるいじめが原因だったことが明らかになった。

 3年生部員が池にスリッパを投げ入れ、その2年生部員に拾ってくるように命令したことが悲劇を招いた。

 亡くなった部員は有望選手で、立浪和義(元中日)、片岡篤史(元日本ハムなど)、野村弘樹(元横浜)らと同期。翌年に春夏連覇を達成する主力メンバーに名を連ねていたはずだった。

 この事件に関しては、桑田の父・泰次さん(故人)の著書「野球バカ」(講談社刊)に詳しく記されているが、同級生の死に衝撃を受けた2年生部員たちは、寮で座り込みを敢行して3年生のいじめに抗議したという。

 こんな重大事件の後でも、不祥事はなくならなかった。「暴力がPLの伝統」といって正当化するOBもいる。学校の全生徒が寮生活をし、野球部では相撲部屋と似た「付き人制度」。部員はしごきやいじめに耐えて精神力を養う。確かにこれが強さの要因の1つだった。

 だが、野球部を信者獲得の広告塔にしてきたPL教団側にとっては、不祥事の多発は逆効果。黙ってはいられないのは当然だ。プロ野球界で最大勢力を誇るOB会も、休部への流れは止められなかった。 (敬称略)