●もし危機が発生したら

私の経験から言うと、保護者が教育委員会までどなり込んで来た時、事情を聞いてみると
必ず共通していることがある。
 それは事件が起こった時の、その日の初期対応がまずかったということである。
 1つ目は、初期対応に全力を。
 「事件が起こったその日に、校長が(責任ある者が)誠実に対応しておけば、
ここまでこじれなかったのに……」
 特に事後処置と事後指導の区別ができていないケースが多い。
 例えば、生徒AがBをケガさせた場合、病院につれていくのは当然だが、
必ずAをつれてBの家に謝りにその日のうち に行かなければいけない。
 Aをしっかり反省させるとか、仲直りさせるとかは後でもよい。
 “事後処置は迅速に、事後指導はじっくりと”
 「教育は、今日行くから教育という」を忘れてはいけない。
 2つ目は、隠さないこと。
 子どものプライバシーや人権に係わることは相手が誰であろうと守らなければならない。
 それ以外のことは、学校の立場が少々悪くなったとしても隠してはいけない。
 素直に謝ればよい。
 隠そうとすればするほど、不信感がつのる。
 3つ目は、責任を明確に、逃げない。
 「学校で起こったことは、全て校長の責任です。」
 「責任をもって対処します。」
 校長のセリフはこれしかない。そこから信頼回復が始まる。

著者経歴

  • 元大阪府堺市教育長
  • 元大阪府教育委員会理事 兼教育センター所長
  • 元文部省教育課程審議会委員