全国で虚偽供述書「公文書への甘い認識」

「警察官の供述調書に対するコンプライアンスの欠如が浮き彫りになった事件」――。

 原田氏は今回の事件をそう批判した上で、「信じられないでしょうが、Sと協力し合えば事件なんてでっちあげられるんです。多少の違法行為に及んでも実績を挙げれば認められる、許されるという誤った考えがまだまだ組織内に巣くっているのでしょう」と嘆いた。

 早坂容疑者が約10年にわたって薬物捜査を手掛けてきたことにも着目し、「とりわけ仕事が覚せい剤の摘発に特化される対策課の捜査員になれば、他の事件を挙げても評価はされません。Sと共謀し調書をねつ造してでも薬物で実績をつくらねば、との思いが強まっていったのでは」と推測する。

 「今回の事件は早坂容疑者の逮捕で終わらない」と原田氏は話す。「早坂容疑者のSの虚偽の供述調書をもとに過去に逮捕された人たちは、違法手続きで収集された証拠で逮捕されたのだから、証拠能力なしとみなされて全員無罪になる可能性もある」と指摘した。

 供述調書の偽造に絡んで、道警では昨年10月にも銃器捜査の関連で札幌市内署の警部補が懲戒処分を受けた。こうした公文書偽造(虚偽供述書)などで懲戒処分を受けた警察官は全国でも相次いでいる。

 原田氏は「氷山の一角」としながらも、警察庁の公表データでは昨年までの過去3年間で計104人に上る。「背景にあるのは公文書に対してのずさんとも言える極めて甘い認識です」と強調した。