2014年02月05日

高校野球 不祥事の根本的な原因

 今年1月、昨夏甲子園準優勝の延岡学園(宮崎)で不祥事が起きていたことが明るみに出ました。昨年10月、2年生部員が1年生部員にバットなどで暴行し、鼻の骨を折る大怪我を負わせたのです。この部員は退学し、加害者は家裁に送致され、被害者の親は訴訟を起こすのだとか。

 今に始まったことではありませんが、野球関連(野球だけではありませんが)の不祥事が絶えません。罰則を強化するだけでは、それほどの抑止力にはならないと思います。根本的な原因を探らなくてはなりません。最近明らかになった主なものだけを列挙しても、けっこうあります。

 2005年夏の甲子園決勝で田中将大と投げ合った、京都外大西の本田拓人が昨年、窃盗容疑で逮捕されました。2011年にも同じ容疑で逮捕されているのでこれで2度目です。前述の田中と投げ合ったとき、本田はまだ1年生。その後さらに2回甲子園に出場していますが、さしたる活躍はできず。プロ入りを希望しますが高校時は指名なし。近畿大に進みますが中退し、関西独立リーグでプレーするもチームが休部。無職となり、金に困っての犯行だったようです。

 2012年には元阪神・オリックスの塩谷和彦(神港学園高出身、甲子園では堀田一郎らがいる北海と対戦)が詐欺容疑で逮捕されています。不動産会社の社長だったようですが、資金繰りに窮していた模様。彼の素行の悪さは現役時代からあまりにも有名で、年俸査定で毎年のように球団ともめて悪態をつき、あげくにコーチへの暴行疑惑すらあります。

 2011年にはなんと被災地で電線を盗むという呆れた行為により、元ソフトバンクの伊奈龍哉(近江高出身)が逮捕されています。しかもこれが2度目の逮捕。故障のため高卒1年目でソフトバンクに解雇され、四国・九州アイランドリーグでプレーするもやはり故障の影響ですぐに退団。無職となり、どうお金を稼げば分からなくなったうえでの犯行でしょう。



 高校に入ると毎日野球漬け。朝練もあるし、私立高では午後の授業を免除されて練習する例もあります。それも日付が変わってもまだ練習する高校もあります。とある有名私立校の監督は「自分の高校時代は大晦日と元日以外の363日が全部練習で、やっと夢の甲子園に出場しても疲労によりフラフラで勝とうという意欲が湧いてこなかったよ」と振り返り、毎週1日を必ず休みにしているのだそうです。

 監督や部長は夜にちょっと一杯呑んだり、パチンコにでも行って1日の疲れを癒やすこともできますが、休みがなく大金も持たない彼らは、練習で溜まったストレスをどこで発散すればいいのでしょう。ちょっとタバコを吸ってみたくなったり、後輩をいじめてみたりしたくなるのではないでしょうか。

 これでプロ入り、あるいは独立リーグなどの入団できればよいのですが、99%以上の選手が野球とは無関係の職業につくのです。学生時代に野球しかやってこなかったら、一体何が残るのでしょうか。頭を下げて契約を取って来ることも知らず、ひったくりなど楽な方法に逃げてしまうのではないですか。

 これは有名な話ですが、駒大苫小牧(北海道)の選手は、毎年冬休みに20日前後全体練習が休みになり、その間はアルバイトで遠征費などを自分の手で稼ぐことが義務付けられています。ここで自分で汗水流して収入を得ることを覚えるのは、大きな経験になるでしょう。ちなみに、今年はセンバツ出場が決定的だったこともあり、いつもより1週間以上冬休みが短縮されたそうですが。

 あまりにも甲子園が美化されすぎ、勝利至上主義になっている。これこそが不祥事続出の根本的な原因です。一度統計をとってみたらどうでしょう。不祥事が起きる高校の休日数を。私は休日数が少なければ少ないほど、不祥事が多い傾向にあるのではないかと考えています。

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この記事へのコメント
初めまして。それもあると思いますが、最終的には、私は育った環境、親の育て方だと思います。今時の親は、子供が凄ければ(能力が高ければ)ちやほやし過ぎて、何か問題を起こしても怒ることはしません。その中で育って来た子供は、免疫力が無く、ダメになった時に何をすれば良いのか分からないのではと思います。親は、何かあったら高校や指導者のせいにしますが、全ては親が始まりだと思います。
Posted by ソチオリンピック at 2014年02月05日 18:33
>ソチオリンピックさん

はじめまして。コメントありがとうございます。

はい。親の教育ももちろん大きな要因だと思います。

しかし、「最近の親は子供を叱らない」というのはよく聞くセリフですが、千年以上前の古典文学にも出てきます。色々な意見があって当然ですが、私はそうとも言い切れないんじゃないかと思います。

もちろん、なんでも監督のせいにするダメ親が日本全国にたくさんいるのは承知ですし、子供の教育上良くないとも思います。
Posted by あいけい at 2014年02月05日 23:06
私が習っている整体の会報誌で、主宰の先生が山口県の野球に力を入れている某高校の監督の指導方法について苦言を呈しておりました。私も剣道やってる時によく言われましたが、「めしをたくさん食えないと強くなれない」の類いの考え方についてでした。「あんな無理強いをするから体が硬くなって、推薦で素質のある子達をたくさん集めてきても、県大会の三回戦とかで負けるのである」というような主旨だったと記憶しております。

今やハイブリッド車全盛の時代、燃料をたくさんつまなくとも燃費の良さで勝負の時代。ちょっとしか食べなくてもいっぱい動けたほうが効率的だし、一昔前は試合前に短期の断食を行う競技者もいたそうです。私も現在、すこーしだけかじってますが古武術のような理論もあるんですから、いかに体に負担をかけない動きを研究するとか、もっと柔軟な思考を持った指導者が増えることを願っております。

日本人の質の低下は日教祖の影響が多分にあると思います。野村元監督は国を愛せない者は一流にはなれない旨を著書に記しております。私のいとこにも校長で、「天皇なんていらないんだって」という外道がおります。そんなら北朝鮮にでも行って教職やれよと思います。話はそれましたが、日本人であることの誇りが持てないことも平気で悪いことをすることに繋がっていると思います。今年は皇紀2674年、二千年以上の歴史を持つ誇れる国は世界でも日本だけなんですけどねー…。
Posted by 北海健児 at 2014年02月06日 19:17
伊奈選手逮捕されてたんですね、というかプロ行ってたんですね。高校時代はスラッガーとして有名でした。
不祥事にかんしては駒苫ファンとしては最も避けて欲しい事柄です。
飲酒喫煙は自己責任であると思います。私は酒は弱くタバコは吸ったことないので、やりたくなる高校生の気持ちはわからないのですが、これらは一応他者に迷惑はかけてないと思います。集団となるとたちが悪いかもしれませんが、該当選手のみの罰則で良いかと思っています。
一方最近よく聞くのはイジメ暴力ですね。これらは犯罪です。ビートたけしが、いじめという言葉を無くして暴行という言葉を使えば良いと言っていましたが、良い案だと思いました。これには被害者がおり、程度によりますが部の雰囲気体質が問われると思います。
指導者は大変だと思いますが、まずは自分がお手本になり集団における人間性を教えなければいけません。日頃厳しい競争にさらされてる彼らからしたら難しいですが、他者を受け入れる気持ちがあればいじめ暴力までは発展しないと思います。
Posted by tomo at 2014年02月07日 00:43
>北海健児さん

こんばんは。最近はプロ野球でも高校野球でも、たしかに食を推奨する傾向にはありますね。

一概には言えませんけど、相撲選手を育成しているかのような体格の高校もありますし、全員に一律同じことを押し付けるのはどうかと思います。

学校の教育には問題があるでしょう。天皇とは何ぞや、という教育は私も1秒たりとも受けた記憶はありません。
Posted by あいけい at 2014年02月08日 22:52
>tomoさん

こんばんは。ビートたけしの言葉は知りませんでした。なるほど、いじめではなく暴行、良い考えだと思います。同じく体罰も暴力と言い換えるべきですね。

指導者がお手本になるべきというのは、本当にその通りだと思います。監督が暴力を日常的に振るうのを見た選手は、それが当たり前と感じて自分も同じことをしてしまう場合がありますからね。

有名校以外の不祥事も含めれば相当な数に上ります。処罰を厳しくするだけでは歯止めにはならないので、本当に対策を講じていただきたいものです。
Posted by あいけい at 2014年02月08日 22:55