今日は朝日や毎日の不祥事を取り上げようとかとも思ったんですが、他所でもやってそうなので独自のネタを。

1.「選択」という、会員制の月刊誌があります。同誌を発行している選択出版の子会社・選択エージェンシーが昨年、厚生労働省との間で贈収賄事件を起こして子会社社長らが逮捕されました。
一連の経緯はこちらを参照。
選択エージェンシーと「監修料」と「告訴」について(わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)ちょうど1年前ですね。
こんな告発も。「エルネオス」は選択と同類の経済誌らしい。
雑誌『選択』問題を問う!選択出版元専務が問うた真摯な告発レポート全掲載

これに先立って、選択が日経の鶴田会長の公私混同と子会社の不正経理を取り上げたら、日経新聞への広告掲載を拒否されたなんてこともあったはず。
脅迫された元編集長も日経出身でした。

2.高塚猛というと、ダイヤモンド社の社長というよりは福岡ダイエーホークスの社長だったことのほうが有名でしょう。
リクルート出身で、会社再建のプロとしてマスコミで持て囃されましたが、複数の女性社員に対するセクハラで逮捕されました。
読売新聞と西日本新聞が辞任にいたる経緯をまとめています。
ホークスどうなる~再燃!! 球団売却案
西日本新聞 ダイエー再建問題
昨年6/26にダイヤモンド社の社長に就任、10/7に辞任して逮捕されたのは10/25でした。
前ダイエー球団社長を強制わいせつ容疑で逮捕(朝日新聞 04/10/25)

3.高塚の4ヶ月足らずのダイヤモンド社社長就任は一見、単なる悪あがきに見えます。
しかし興味深いことに、この間に「週刊ダイヤモンド」が04年8月7日号で「創価学会の経済力」という特集記事を組んでいます。
でかした週刊ダイヤモンド特集『創価学会の経済力』(日常/非日常Blog)

(4/1追記、修正)

その「マスメディア支配」の章の冒頭に掲げられたのが、創価学会による「選択」買収説でした(全文は末尾に)。
より直截的に書いているのはこちらです。
月刊誌「選択」が創価学会に乗っ取られた!(Mr.Showbiz)

4.しかし案の定というかこの特集は創価学会の反発を招き、「第三文明」11月号に大々的に批判記事が載ったそうです。
芸能総研論説
 「第三文明」の記事によると、9月11日号で謝罪・訂正し、社長名の書面による「陳謝」があったといいます。同記事によれば、「マスコミ業界における社長の公式謝罪は“異例中の異例”」だそうです。

 「週刊ダイヤモンド」が創価学会特集を組んだ経緯を、「第三文明」はこう説明します。

 「もともとこの「創価学会特集」はダイヤモンド誌が部数売り上げを狙って、一か八かの大勝負に出た企画とされる。」
 「一説によると、学会特集号は(中略)十万部を少し出る程度にしか売れていないという。」
 「ある業界関係者が語る。「(中略)(売り上げは刷り部数の)五割程度と聞いていますから“惨敗”ですね」」
 「同社は(中略)経営の厳しさが伝えられている。」(P37)

 うーん、たった40行足らずの文中に、ここまで不確定言辞が並んでいると、壮観でもあります。
 「週刊ダイヤモンド」を「根拠のない憶測や推測に基づく多くの事実誤認を犯している」(P39)と批判する記事が、ここまで憶測や推測を並べるのは、何のパロディでしょうか?


5.創価学会の言い分を鵜呑みにするつもりは毛頭ありませんが、ダイヤモンド社の経営が厳しかったのは事実らしく、だからこそ再建請負人の高塚に前途を託したようです。
ダイヤモンド社長に高塚氏(岩手日報 2004年4月16日)
では、創価学会特集は高塚が指示したのか?

が、意外なことに高塚は同じ「第三文明」に過去たびたび登場し、本も出しています。
『第三文明』2002年8月号
特集  リーダーシップ
夢を与え、評価し、頑張れる環境をつくる
       高塚猛(福岡ダイエーホークス社長)

『第三文明』2003年4月号
ビッグてい談
壁を破るためのヒント
●田村隆雄(創価学会副会長)
●高塚猛(福岡ダイエーホークス)
●多田昭重(西日本新聞社長)

人生を立て直す36のヒント
…一体どうなってるんだ?

6.で、長々とお前は何が言いたいんだといわれるとすごく困るのですが、今の段階でいえることはこんな感じです。
・週刊ダイヤモンドの記事は必読。
・セクハラはよくないと思います。(って取ってつけたように)
・あとは正直、わけが分かりません。いったい誰が味方で誰が敵なのか?
一連の不祥事で誰が得をしたのか?いちばんダメージを負ったのは選択のように思えますが…

他に参考になりそうな事実は、こんな感じでしょうか。
(1) 選択汚職が起きたときの厚生労働大臣は公明党の坂口でした。偶然といわれればそれまでですけど。

(2) asahi.comで「高塚猛」を検索するとこんな記事がでてきます。
岩手の政脈[第1部 小沢一郎編]②「風」吹いて王国が完成
この高塚猛って同一人物ですよね? 高塚ははじめ岩手のホテルの再建で名を上げたそうですから。だとすると小沢を通して選択の湯浅社長と高塚がつながることになります。

狭いマスコミ業界の中でも、経済誌というのは同じ会社にいた人たちが分裂を繰り返したりして特に人間関係の入り組んだ世界のようです。
素人にこれ以上の分析は荷が重いですね。こうなったら高杉良(大下英治でも可)に「小説巨大経済雑誌」でも書いてもらおう、って無理だろうな…
「週刊ダイヤモンド」04/08/07「創価学会の経済力」より。
マスメディア支配

全国紙・地方紙に
聖教新聞の委託印刷が拡大
月刊誌「選択」にも触手

創価学会による「選択」買収説が流れたのは昨年末から今年初めにかけてのこと。その舞台裏を探っていくと、池田大作名誉会長の影に突き当たる。新聞・雑誌・テレビ・ラジオ……あらゆるメディアとの関係を深める学会の狙いは何か。

 和光大学に勤務するI教授が会員制情報誌「選択」を発行する選択出版の取締役に就任したのは、昨年一二月二五日のことだった。毎日新聞欧州総局長を務め、ドイツ経済に関する著書が多数あるこの人物を、選択出版の湯浅正巳社長は「編集長含みで招聘したようだ」(関係者)。

 創価学会の機関紙・聖教新聞の常連筆者でもあるI氏を湯浅社長に紹介したのは、創価学会のM副会長と見られる。M副会長と湯浅社長は「小沢一郎を励ます会」の席で知り合い、一〇年以上にわたって親交を深めてきたという。

 M副会長は、じつは池田大作名誉会長の側近中の側近。東大在学中に池田会長(当時)の「信越長」として長野県内の学会員の財務(寄付)を全国トップに押し上げた実績もある。最近は、学会と学会に批判的なジャーナリストの公判を傍聴したり、マスコミ対策を引き受けている模様だ。そのM副会長が10億円の資金援助をもちかけたというのである。

「湯浅社長は近しい人に『提示されたが、お断りした』と漏らしたといいます」(関係者)

 かつて池田氏の側近を務めたことがある原島嵩・創価学会元教学部長は断言する。

「Mが動いたということは、池田氏の指示に間違いない」

公明新聞の印刷会社は
聖教新聞の印刷も受託


 だが、今年四月、両者は不測の事態を迎えることになる。厚生労働省の業務発注をめぐる汚職事件で、選択出版の子会社社長が贈賄容疑で警視庁に逮捕されたからだ。学会側は、動きたくても動けなくなった。ただ、I氏は依然として選択出版の役員を辞任していないことから、学会と湯浅社長のパイプは切れていないと見る向きが少なくない。

 これまで「東京タイムス」「中央公論」などが学会による買収対象のメディとして名前が挙がったことがあるが、いずれも実現していない。厚労省の汚職事件が一段落したあと、学会はどう動くのか。


さらに追記。今月から「選択」の編集人がI教授になったそうです。
選択/裏通り

トラックバック一覧

    • [幸田回生]
    • 2005年04月02日 10:36
    • ついにというか、やはりというべきか、高塚猛が捕まった。 ご存知ない方も多いと思い
    • [田中県政追撃コラム&取材メモ]
    • 2005年04月02日 12:24
    • ネット上に様々なブログ、メルマガがあるが、個人が運営して、一次情報を出しているものはほとんどない。大抵は、マスコミに出ていた情報を基にした感想であり、意見だ。私が運営するブログ&メルマガに出されている情報は、基本的に私が元記者の経験を元に取材している一次
    • [トラックバックジャパン]
    • 2005年04月05日 12:37
    • 社長
    • [和光大学---大学情報局]
    • 2005年05月15日 02:28
    • 和光大学和光大学(わこうだいがく)は、日本の私立大学のひとつ。小田急小田原線の鶴川駅が最寄り駅。情報元:Wikipedia...

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