転職理由を聞かれた時だけは嘘をついても構わない

転職理由は嘘をついても構わないワケ

面接で転職理由を聞かれたときには嘘をついても構いません。

こう言い切ってしまうと、

『正直者のわたしはとても嘘なんてつけない!』

と拒否反応を示される方もいらっしゃるかもしれません。

それは当然のことです。我々は子供の頃から『嘘つきは泥棒のはじまり』だと教わってきました。その理由はこうです。

 

→ 子供がまんじゅうをこっそり食べる 

→ 母親に食べたかと聞かれても食べていないという嘘をつく 

→ 誰にも怒られずに済む 

→ 嘘をつけば得をすると勘違いする

→ いずれ人様のものまで盗むようになる 

 

という悪循環に陥ってしまうのを未然に防ぐための論理です。

ところが逆に、「嘘も方便」 ということわざがあります。

 

→ 母親を亡くして長年立ち直れない男がいた

→ 寺の住職は、過去に葬式を出した事が無い家から胡麻粒をもらって来れば母親を蘇らしてやると言った

→ 男は村じゅうを探したが葬式を出した事のない家など一軒も無いことが分かった

→ 男は、ヒトは皆いずれ死ぬのだということを悟り立ち直った

→ 住職はこの村には葬式を出したことのない家が無いことを最初から知っていた  

 

この場合の住職の嘘は、男を救いました。この場合の嘘は『方便』です。方便とは、『ある目的を達するためであれば許される手段』のことを言います。

このように、「嘘は泥棒の始まり」の場合の嘘と、「嘘も方便」の場合の嘘とでは、嘘の質がまったく違います。

転職理由を聞かれてつく嘘は後者であると言い切れる理由をご説明していきます。

転職理由にはいろいろありますが、大きく分けると以下のように分かれるのではないかと思います。

不可抗力の転職理由

  • 親の介護が必要になった
  • 会社が倒産した

積極的な転職理由

  • 自分の可能性を試したい
  • スキルアップしたい
  • これまでとは全く異なる世界を知りたい
  • もっと稼ぎたい

消極的な転職理由

  • 残業・休日出勤が多い
  • 上司と衝突した
  • 不祥事を起こした
  • 営業成績が悪かった
  • 能力的に限界だった

 

1番目の不可抗力の転職理由と、2番目の積極的な転職理由の場合は、嘘をつく必要はありません。

問題は3番目の消極的な転職理由の場合です。しかしこれを転職理由としている人が多いのも事実です。

私の場合も仕事で失敗ばかりを繰り返し、自分の能力不足が明るみに出て、会社に居づらくなったことです。まさに、消極的な転職理由でした。

私が地元の介護関係の会社の面接を受けた時の話ですが、自己PR、志望動機、職務経歴、などのトークを一通り終え、そろそろ終わりかなといった時でした。

面接官から、

「なぜ前の会社を辞められたのですか?」

と聞かれました。まさに転職理由の追及です。

私は、

「長男ですので、将来的には両親の介護をすることになります。以前の会社は全国に支店があり、定年の60歳まで全国への転勤があります。将来を見据えて30代のうちに転勤のない会社に変わっておきたかったからです。」

と用意しておいた転職理由をすらすらと答えました。

「よし、完璧だ。」心の中でガッツポーズを取りました。ところが、

「でも、今すぐにご両親の介護が必要なわけではないですよね?」と面接官。

「あ、はい・・・。確かにそのとおりですが、将来的なことを考えれば・・・。」と私。

この面接官は何を言っているのだろうか?さっぱり分かりませんでした。将来的に両親が介護が必要になることを考えれば転職のしやすい若いうちに地元企業に転職しておく。 この分かりやすい私の転職理由のどこに不満があるのだ!

ところがなかなか引き下がってくれないのです。何故以前の会社を辞めたのかということを、執拗に聞いてくるのです。

私は自分の用意していた回答を言葉を変えながら繰り返すだけでした。面接官は最後まで納得できない渋い顔をしていました。

結果は不採用でした。

なぜあの面接官は執拗に転職理由を聞いてきたのかよく考えてみました。

私は消極的な理由は全く表に出さなかったという点で、嘘をついていることになります。

最大の転職理由を話さない、という嘘です。最大ではないが、本当に思っていることを最大の理由のように偽装して、それで納得してもらおうと思ったわけです。

面接官は恐らく見抜いていたのではないかと思います。

長男が介護の都合で地元に戻るということはよくあることです。地元に支店がある場合は会社に都合を話して地元に転勤させてもらうという選択肢もあります。しかし、私は転職の道を選んだわけです。

『今すぐに介護が必要ないという状況で、よく会社を辞めるという決断ができたものだな。会社を辞めたのには本当は別の理由があるんじゃないか。』

面接官はこう思っていたに違いありません。

私は甘かったと思います。会社を辞めるにあたって、今そこにない事情を無理やりねじ込んできても不自然です。

会社を辞めた理由は本気で考えなければならないと思いました。もっと言えば、本気で嘘をつかなければいけないということです。

 

消極的な転職理由のなかでも、残業・休日出勤が多い、賞与が出ない、転勤が多すぎる、といった待遇に関する不満は、ある程度正直に話してもいいと思います。

ただし、辞めた会社のことを全否定するような言い方をしないことです。現にその会社で今も働いている社員がいるわけですから、その人たちも否定することになってしまいます。

面接官にも良い印象を与えません。個人的には待遇に満足できなかったというスタンスを守ることが重要です。

さて、それ以外の真に消極的な転職理由をどうするかが問題です。

 

  • 上司と衝突した
  • 不祥事を起こした
  • ミスを繰り返した
  • 能力的に限界だった

 

これらは正直に話すべきではないと思います。正直に話さないということは言葉を変えれば嘘をつくということです。

正直に話せば『正直な性格の人間だ』ということが伝わるという点ではプラスですが、内容に関するマイナスイメージのほうが大幅に上回ります。

この場合は嘘の転職理由を本気で考えるのです。嘘は嘘でも積極的な転職理由を考えるのです。私は本気で考えました。

考えるしかないのです。正直に本当の転職理由を話していたのでは生きていかれないのですから。

わたしは次の会社の面接までに、下記の転職理由を作り出しました。

 

「総務の仕事の中で経理の仕事に触れることが多く、経理がだんだんと面白くなってきました。そこで建設業経理士という資格も取ってレベルアップもしてきました。そうなると、もっと専門的に経理の仕事をやってみたくなりました。以前にいた会社では物足りず、好きな経理を思う存分やれる環境に身を投じたくなり転職を決意しました。新しい会社は地元の優良企業にしたいと思い御社を志望しました。」

嘘です。

資格は自主的に取ったわけではなく会社に言われて仕方なく取得しただけですし、専門的に経理ができる仕事でなくても事務的な仕事でさえあればどんな内容でも正直構いませんでした。ほとんどが嘘です。いや、『嘘だった』のです。

最初は嘘で固めた転職理由ですが、この志望動機を話す練習を何度も何度もやっているうちに、不思議な事が起きました。

『もしかしたら自分は最初からこの転職理由で会社を辞めたのではないだろうか』と思うようになったのです。本当です。

実際に前向きな気持ちになり、次の面接からはいきいきと転職理由を語れるようになり、面接官も納得してくれるようになりました。

転職理由を作り出すという嘘は、落ち込んだ男を救った住職の嘘ほど徳が高いことではありません。

しかし、転職理由を聞かれてつく嘘は、一度挫折した人間が新しい一歩を踏み出すという正義のためにつく『嘘』です。その嘘のおかげで積極的な自分に変われたのならば、それは『方便』となりうるのです。



転職サイトの目的別分類



優良企業・大企業の求人なら
→ デューダ


職務経歴書の添削なら
→ DODA


既卒・フリーターからの正社員求人なら
→ 第二新卒AGENTneo


20代の第二新卒の転職なら
→ マイナビエージェント



未経験業界への転職なら
→ ハタラクティブ



人材派遣の求人を探すなら
→ ヒューマンリソシア